JRA「モーザリオ」ことルペルカーリアにも朗報!? 苦戦続きモーリス産駒が東西・新馬戦連勝の大反撃! 話題の超大物は秋の中京デビューか
8日、札幌競馬場で行われた5R新馬戦(芝1200m)は、1番人気のテーオーメアリー(牝2歳、栗東・梅田智之厩舎)が優勝。好スタートからハナを奪うと、スピードの違いであっさりと逃げ切った。
新種牡馬モーリスの血で、一族が“新境地”を開拓した。兄に北海道スプリントC(G3)を勝ったテーオーヘリオスがいるが、きょうだいは軒並みダートで活躍。しかし、管理する梅田智之調教師が『デイリースポーツ』の取材に「洋芝なら対応できると思う」と語った通り、見事な快速ぶりを見せつけた。
父モーリスにとっては、7月11日のカイザーノヴァ以来となる待望の産駒2勝目。同じく今年の新種牡馬として人気を二分しているドゥラメンテの産駒が6勝を上げ、2歳リーディングで首位タイに立っている。一方、モーリス産駒は尽く苦戦するなど、非常に厳しい状況の中で、待ちに待った“朗報”だった。
さらに、その約15分後、今度は新潟競馬場で行われた5Rの新馬戦(芝1600m)でモーリス産駒のストゥーティ(牝2歳、栗東・奥村豊厩舎)が勝利。2勝目まで約1カ月も待たされたモーリスだったが、この日はわずか15分ほどで一気に2勝を積み上げた。
「先週までで32戦して、わずか1勝。7月のセレクトセールでも、産駒の落札価格が前評判の高かった昨年ほど振るわないなど、先行きが不安視されていたモーリスですが、ここにきて存在感を発揮し始めたのは大きいですね。
特に札幌の新馬戦を勝ったテーオーメアリーは楽勝だったので、次が楽しみになる内容。時計的にもまずまずですし、スピード能力は非凡なものがあると思います」(競馬記者)
この連勝劇で、再びファンから熱い視線を送られているのが、モーリス産駒の中でも「一番の大物」と噂されるルペルカーリア(牡2歳、栗東・友道康夫厩舎)だ。
母に日米オークスを勝ったシーザリオ、兄に菊花賞(G1)とジャパンC(G1)を勝ち、種牡馬としても今春二冠を達成のデアリングタクトを輩出したエピファネイア、今年の宝塚記念(G1)で1番人気に推された皐月賞馬のサートゥルナーリアがいるなど、世界的にも屈指の血統背景を持つルペルカーリア。
生まれた瞬間から「モーザリオ」という愛称で多くのファンに注目され、今か今かとデビューが待たれているが、父モーリスの不振によって不安の声が高まっていた。
しかし、今回の連勝劇で通算「3勝」は、2歳の種牡馬リーディングにおいてもロードカナロアらと並ぶ7位タイ。まだ、シーズンは始まったばかりだが、まずは留飲を下げた格好だ。
「多くのファンが注目しているルペルカーリアですが、どうやら9月に開幕する秋の中京開催でのデビューが計画さているようです。この春、デアリングタクトを出して一気に注目度が上がったエピファネイアのように、父モーリスを助けるような活躍を見せてほしいですね」(別の記者)
現役時代はG1・6勝を上げて年度代表馬にも選出されるなど、一時代を築いたモーリス。期待の新種牡馬がいよいよ勢いに乗ってきた。