JRA武豊「また一緒に海外に」マテラスカイでクラスターC(G3)快勝! 惜敗続くパートナーを約2年ぶりの勝利に導いた熟練の手綱捌き

マテラスカイ 競馬つらつらより

 10日、盛岡競馬場で行われた交流重賞クラスターC(G3)は、武豊騎手の1番人気マテラスカイ(牡6、栗東・森秀行厩舎)がヒロシゲゴールドとの叩き合いを制して勝利。追い込んだブルドッグボスが3着に入った。勝ち時計の1分08秒5(良馬場)は日本レコード。マテラスカイは2018年プロキオンS(G3)以来、約2年ぶりの勝利となった。

 快速が持ち味のマテラスカイは逃げが必勝パターン。

 18年1月の頌春賞(2勝クラス)で武豊騎手と初コンビを結成してからも殆んどのレースで逃げて来た。初重賞勝ちを飾ったプロキオンSも2着馬に4馬身差をつける”圧逃”で勝利している。

 これまでコンビを組んだレースでも、ドバイ競走以外の国内のレースはすべて逃げている。盛岡の地でもおそらく逃げると思われていたが、この日は一味違うレースぶりを披露した。

 レースでは好スタートを決めたが、内のヒロシゲゴールドを一旦先にやっての2番手を追走。3コーナー過ぎから並びかけると直線では一騎打ち。叩き合いを制し、1/2馬身差で勝利した。

 これについては武豊騎手の臨機応変な判断によるところも大きかったようだ。

 レース後のコメントでは「内の方が速ければ2番手でもと思っていました。最後の最後で失速するレースが続いていたから最後まで分からなかったですね」と振り返った。好勝負までは持ち込みながらも、最後に力尽きてしまっていたマテラスカイの近走は名手にも気になっていたようだ。

 圧倒的なスピードが大きな武器となる反面、戦法が偏ってしまうと目標にされるリスクも伴い、単調になってしまう側面もある。マテラスカイにとっても、いつもの逃げ一辺倒ではなく番手から抜け出すレースで勝利を挙げた意味は大きい。

「勝利にあと一歩のところまで善戦しながらも、最後にバタッと止まってしまうケースが多かったですからね。武豊騎手もあえて行かかない選択肢を試したようです。勿論、馬場や展開によっては逃げがベストの選択となることもあると思いますが、控えても結果を出せたことで戦法にも幅が出ます。このコンビは華がありますし、また海外で活躍する姿を見たいですね」(競馬記者)

「久しぶりのお客さんの前のレースだったので馬の方は落ち着いていたんですが、僕が緊張しました(笑)」とおどけてみせた武豊騎手。

 先日、史上初のJRA通算4200勝を達成したばかりの競馬界のレジェンドは「通過点だし、まだまだ伸ばしたい」と、さらなる記録更新にも強い意欲を見せた。

 12日、佐賀競馬場で行われるサマーチャンピオン(G3)ではコパノキッキングと初コンビを組む。

 冴え渡る手綱捌きで、暑い夏をさらに盛り上げてくれるだろう。

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