JRA”キタサンブラック世代”が躍動!ウェスタールンド、パフォーマプロミスなど……現8歳は“超”遅咲き?
9日(日)、札幌で行われたエルムS(G3)で、最もレースを盛り上げたのはウェスタールンドだった。道中最後方から早めに進出すると、豪快なマクリで2着に食い込んだ。ダート実績はメンバー屈指と言える存在だったが、単勝オッズは2番人気。8歳という年齢を嫌い、評価を下げたファンも多かったのではないだろうか。
ウェスタールンドと同じ2012年に生まれた現8歳世代。この世代の代表格は、2020年度の顕彰馬に選ばれたキタサンブラックで異論はないだろう。そのキタサンブラック世代は、8歳を迎えた今年に入って好走馬が続出している。8月半ばの時点ですでに平地競走で10勝。8歳時に挙げた勝利数としては、2000年生まれ以降の13世代のなかでトップタイである。並ぶのは03年生まれのメイショウサムソン世代で、キタサンブラック世代と同じ10勝を挙げている。
【世代別8歳時の平地勝利数ランキング、2000年生まれ以降】
1位 10勝 2003年生まれ(メイショウサムソン、キンシャサノキセキ、アドマイヤムーン)
1位 10勝 2012年生まれ(キタサンブラック、シュヴァルグラン、サトノクラウン)
3位 9勝 2001年生まれ(ダイワメジャー、カンパニー、スイープトウショウ)
4位 8勝 2002年生まれ(ディープインパクト、トウカイトリック、ラインクラフト)
4位 8勝 2010年生まれ(ラブリーデイ、エピファネイア、ロゴタイプ)
※カッコ内はその世代の生涯獲得賞金上位3頭
現8歳馬が今年中にもう1勝すれば、メイショウサムソン世代を上回るが、その可能性はかなり高いのではないだろうか。また、現8歳が今年挙げた10勝の内訳だが、重賞が3勝、リステッド競走が2勝、3勝クラスが1勝、そして2勝クラスが4勝となっている。
重賞を制したのは、クルーガー(ダービー卿CT)、ウェスタールンド(アンタレスS)、パフォーマプロミス(鳴尾記念)の3頭。ちなみに過去13世代で8歳時に最も多くの重賞を制したのは2001年生まれの世代だった。その世代が8歳だった2009年は、“遅咲き”カンパニーが大活躍。天皇賞・秋とマイルCSを含む重賞を4勝。他にダンスアジョイが小倉記念(G3)を、ジョリーダンスが阪神牝馬S(G2)を制し、合計6勝を記録した。
今も現役で活躍する8歳馬は他に、都大路S(L)を勝ったベステンダンク、昨年のステイヤーズS(G2)を制したモンドインテロなど重賞を狙える馬は少なくない。しかし、カンパニー世代に並ぶには、残り4か月半の間に重賞を3勝する必要がある。これは簡単なことではないが、現役8歳世代の顔ぶれを見ると絶対ないとは言えないだろう。
カンパニーは、8歳秋に突如才能を開花させた。同じように現8歳世代からこの秋に突如活躍する馬は出るだろうか。キタサンブラック世代のこれからの更なる飛躍に期待したい。
【現役で活躍する主な8歳馬】
・ウェスタールンド
・パフォーマプロミス
・クルーガー
・ベステンダンク
・モンドインテロ
・スマートアヴァロン
・ウインユニファイド