JRA思いを受け継ぐ弟がいざ出陣! 兄エポカドーロが果たせなかったダービー制覇……新チームで追うクラシックへ向けた戦いが今始まる!
兄の無念を晴らす戦いが始まろうとしている。
16日(日)札幌5レース新馬戦。半兄にエポカドーロを持つ、キングストンボーイ(牡2歳、美浦・藤沢和雄厩舎)がデビュー予定だ。
兄のエポカドーロは一昨年の皐月賞馬で、ダービーでも2着とクラシックを賑わした存在である。その後はなかなか結果が出ずにいたが、復活へ向けて今夏の札幌記念(G2)を目標に調整されていた。
しかし、昨年の大阪杯(G1)での鼻出血発症の影響もあったのか、出走態勢が整わず今月5日に引退を発表。結果的にこれが最後のレースとなってしまった。
その思いを受け継ぐかのように、今週デビューを迎えるキングストンボーイ。兄がクラシックを制しているだけに、同様の活躍が期待されるのは当然だろう。
兄弟の母であるダイワパッションは未勝利戦から、黒松賞(現1勝クラス)、フェアリーS(G3)、フィリーズレビュー(G2)と破竹の4連勝。桜花賞では16着と敗れたが、早くからスピード能力の高さを見せつけた競走馬であった。
父はドゥラメンテで、エポカドーロの父オルフェーヴルと比較してもスケールは遜色ない。
今週水曜の追い切りでは、レースでも騎乗するC.ルメール騎手を背に、札幌の芝コースで5ハロン68.9-53.5-37.5-12.3を馬なりで記録。十分に乗り込んできているだけに、ひと追い毎に動きも良化してきた。
陣営も「馬っぷり、動きともに上々」と素質を感じ取っており、兄以上の活躍も期待したいところだ。
また『競馬ラボ』で連載されている『週刊!戸崎圭太』によると、かつて兄エポカドーロの主戦を務めた戸崎圭太騎手は「思い出といえば皐月賞でしたね。ダービーも着差が着差だけに思い出すところですけど……」と発言。勝利した皐月賞はもちろんの事、逃げ切り寸前で阻止されたダービーの悔しさは、相当なものであったに違いない。
厩舎や鞍上は兄と異なるが、目指す目標は兄同様クラシック……兄が果たせなかったダービー制覇の夢は、本馬に託される事となる。