JRA女王デアリングタクト無敗三冠に黄色信号!? 超良血ラヴユーライヴ坂井瑠星「素質はかなり高い」2連勝で秋華賞トライアルへ
23日、札幌競馬場で行われた3歳以上1勝クラスは、3番人気のラヴユーライヴ(牝3歳、栗東・矢作芳人厩舎)が勝利。兄にドバイターフ(G1)を勝ったリアルスティール、姉にオークス馬ラヴズオンリーユーを持つ良血馬が待望の2勝目を上げた。
無敗の二冠馬デアリングタクトが断然の今年の牝馬三冠路線。だが、最終関門の秋華賞(G1)へ向け、「超新星」の登場を予感させるレースぶりだった。
7頭立てで行われた芝2000mの一戦。1枠1番からゲートを上手に出たラヴユーライヴは行きたい馬がいない中、押し出されるようにハナへ。初勝利を飾った未勝利戦から約3カ月ぶりのレースとあって、序盤はやや力みが見えたが、鞍上の坂井瑠星騎手が上手くコントロール。1000mを61.3秒で通過する頃には、すっかり落ち着いて走れていた。
最後の直線の入り口でスッと後続を引き離したラヴユーライヴ。独走に入ったところで、坂井騎手が遊ばせないように右ムチを2発。その直後には後続を振り返る余裕もあり、最後は悠々と先頭でゴールした。
「牝馬限定戦の7頭立てながら、上位人気はすべて秋華賞を狙う3歳馬。ラヴユーライヴは単勝4倍の3番人気でしたが、+30kgという馬体重が嫌われての評価でしょう。それで3馬身差の完勝ですから、先々が楽しみになりました。
また、前走が420kgだったラヴユーライヴにとって、大きく体重が増えたことは小さくはないプラスですね。まだ1勝クラスを勝ったばかりなので、大きなことは言えませんが、血統的にも秋華賞に間に合えば面白い存在になりそうです」(競馬記者)
昨年、他界したディープインパクト産駒のラヴユーライヴは、全兄にドバイターフを勝ち、皐月賞(G1)や菊花賞(G1)でも2着したリアルスティール、全姉に無敗でオークス(G1)を制したラヴズオンリーユーがいる超良血馬。
デビューが今年4月で兄や姉と違って春のクラシックには間に合わなかったラヴユーライヴだが、これで3戦2勝とまだ底が割れていない点もスケールの大きさを感じさせる。
「体が増えていたのは成長分で問題なかったです。修正点はありますが、素質はかなり高いです」(坂井騎手)
今後は秋華賞の出走権を懸け、紫苑S(G3)もしくはローズS(G2)に向かう予定のラヴユーライヴ。女王デアリングタクトへ挑戦状を叩きつける日が待ち遠しくなった。