JRA O.マーフィー「将来には楽しみしかない」若き天才も絶賛したサトノフラッグ! セントライト記念(G2)あの名手とコンビ復活で巻き返しの期待
弥生賞ディープインパクト記念(G2/以下、弥生賞)を制したサトノフラッグ(牡3歳、美浦・国枝栄厩舎)。同馬が9月21日に中山競馬場で行われるセントライト記念(G2・芝2200m)へ向かうことがわかった。鞍上は戸崎圭太騎手が務める予定。出走が叶えば、サトノフラッグと戸崎騎手は昨年10月19日の2歳新馬(6着)以来のコンビ再結成となる。
サトノフラッグは戸崎騎手が落馬で戦線離脱したこともあり、2戦目からO.マーフィー騎手とコンビを結成。条件戦を2連勝したマーフィー騎手は短期免許の終了とともに帰国したが、英国で受けたインタビューで「将来には楽しみしかない。この馬の目標はダービー」と同馬の才能を絶賛していた。
そして武豊騎手と挑戦した弥生賞では、やや後方の8番手につけると、3角外から先頭集団へ進出。直線で先頭に立つと重馬場を物ともせず力強く伸び、2着に1馬身3/4差をつけて勝利。マーフィー騎手の言葉を証明するかのような強い内容の競馬を見せ、春のクラシックの有力候補となった。
だが、マイラプソディの先約があった武豊騎手からC.ルメール騎手にスイッチして挑戦した皐月賞(G1)では、2番人気に支持されるも直線で伸びを欠き5着。武豊騎手に手綱が戻った日本ダービー(G1)でも、4番人気ながら見せ場なく11着と惨敗。物足りない結果に終わっていた。
「サトノフラッグの陣営は弥生賞から戸崎騎手に戻す意向があったそうです。しかし、故障からの復帰が思いの外長引き断念。皐月賞にも間に合わなかった戸崎騎手は、日本ダービー前に復帰を果たしましたが、サトノフラッグの陣営は弥生賞勝ちの武豊騎手を鞍上に据えてダービーに挑戦しました。
戸崎騎手は、一昨年はエポカドーロで0秒1差の2着、昨年はダノンキングリーでタイム差ナシの2着と2年連続であと一歩届かないレースを続けていました。もどかしい思いを抱えていたのか、『競馬ラボ』で連載中の『週刊 戸崎圭太』で、『本当に1着だけが欲しいですよね』と胸の内を明かしています。それだけに挑戦すら出来なかった今年の悔しさはひとしおのはず。秋はサトノフラッグでその鬱憤を晴らすような騎乗を期待したいですね」(競馬誌ライター)
セントライト記念には、日本ダービー3着のヴェルトライゼンデは池添謙一騎手、6着のガロアクリークは川田将雅騎手を伴って参戦予定。またラジオNIKKEI賞(G3)を勝ったバビット、夏の上がり馬として注目されているアンティシペイトらも参戦し、しのぎを削ると見られている。
戸崎騎手は復帰後、着実に勝利を積み上げ、先週の関屋記念(G3)ではサトノアーサーで2020年重賞初勝利を記録するなど調子を上げつつある。サトノフラッグにとっても何よりも頼りになる味方だろう。“元サヤ”に収まったサトノフラッグ×戸崎騎手のコンビが、秋の重賞戦線の“台風の目”となるかもしれない。