JRAデアリングタクト秋華賞直行へ「不安」の声……前例アーモンドアイとは異なる「懸念」とは
29日、今春の牝馬クラシックで無敗の2冠を達成したデアリングタクト(牝3歳、栗東・杉山晴紀厩舎)が三冠を懸け、秋華賞(G1)へ直行することがわかった。所属するノルマンディーサラブレッドレーシングの公式ホームページで発表されている。
この春、デビュー2戦目のエルフィンS(L)を出遅れながらも4馬身差で圧勝したデアリングタクトは、2番人気に推された桜花賞(G1)で2歳女王レシステンシアを破って優勝。続くオークス(G1)でも、度重なる不利を跳ね返して無敗の二冠を達成するなど、同世代では圧倒的な存在だ。
一昨年に牝馬三冠を達成したアーモンドアイも、オークスから秋華賞への直行で偉業を成し遂げており、外厩が充実する昨今、トライアルを挟まずに本番へ直行することは決してマイナス材料にはならないだろう。
「この春もエルフィンSが約3カ月ぶり、桜花賞も約2カ月の間隔を設けるなど、デアリングタクトは休み明けでも結果が出ていますし、レース内容を見ても世代では抜けた存在。オークスからの直行でも、大本命という立場は揺るがないと思います。
それよりも秋華賞へ直行することによって、その『先』が楽しみになりました。秋2走目として考えられるエリザベス女王杯(G1)や、ジャパンC(G1)といったところへ、余力を持って挑むことができるのは大きなプラスでしょう」(競馬記者)
確かに、同世代の中では圧倒的なデアリングタクトにとっても、歴戦の古馬との戦いは本当の意味での頂上決戦となる。特に同世代の二冠馬コントレイルや、史上最多のG1・8勝目を狙うアーモンドアイらが出走濃厚なジャパンC(G1)は、現役最強を決める一戦となりそうだ。デアリングタクトにとっても、万全を期して挑みたいところだろう。
しかし、そんな楽観的な意見とは裏腹に、今回の決定に「不安」を覚える声もあるようだ。