JRA「地方転厩」「デビュー延期」悲劇の主役に朗報!? 新潟記念(G1)ブラヴァス勝利に、アノ馬たちも続けるか
6日、新潟競馬場で行われた新潟記念(G3)は2番人気ブラヴァス(牡4歳、栗東・友道康夫厩舎)が優勝。3度目の重賞挑戦で、ついに初タイトルを獲得した。
この勝利でサマー2000シリーズのチャンピオンに輝き、秋の大舞台に向けて弾みをつけることができた。福永祐一騎手が「伸びしろがあると思いますし、楽しみです」とコメントしていることからも、更なる飛躍に注目が集まる。
また、新潟競馬場に駆けつけて、レースを生観戦した佐々木主浩オーナーも「G1を狙えるくらいになってくれればうれしい」と愛馬の今後に期待を寄せている。ブラヴァスの母は佐々木オーナーに初のG1タイトルをもたらしたヴィルシーナ。オーナーゆかりの血統馬が重賞制覇したことに喜びもひとしおだろう。
悲願の重賞制覇をしたブラヴァスは遅咲きだった。
デビュー2戦目の未勝利戦を勝ち上がったが、エリカ賞(1勝クラス)、若駒S(L)と連敗。その後、長期休養に入ったため、クラシックとは無縁だった。3歳夏に復帰を果たし、今年3月に但馬S(3勝クラス)を制してオープン入りを果たす。
それからは重賞でも、新潟大賞典(G3)4着、七夕賞(G3)2着と好走するがあと1歩勝利に届かないもどかしいレースが続いた。だが、ついに新潟記念で勝利を挙げることができたのだ。
「母ヴィルシーナの3歳シーズンは、常にジェンティルドンナに勝利を阻まれていました。初のG1勝利は4歳のヴィクトリアマイル(G1)です。翌年も同レースを制し、宝塚記念(G1)でも3着に好走しました。
早い時期から活躍するディープインパクト産駒でしたが、古馬になってもしっかり結果を残しています。その成長力は子供にも引き継がれて、ブラヴァスも4歳夏で初重賞制覇となったのかもしれませんね」(競馬記者)
ブラヴァスはヴィルシーナの初仔で、レヴィオーサ(牡3歳)、ディヴィーナ(牝2歳)という弟と妹が競走馬登録されている。だが、この2頭はブラヴァスとは打って変わって、悲しいニュースが続いている。
まず弟レヴィオーサは、今年の2月にデビューするも新馬戦を2着に敗れた。その後4戦するも勝ち上がることが出来ず、名古屋競馬へ転厩。地方で力をつけて中央再転入を狙っている。新馬戦は「クビ差」で勝利を逃しているだけに、悔やまれる敗戦だ。
妹ディヴィーナは8月1日の新馬戦でデビュー予定だったが、お尻の筋肉を痛めたことで放牧へ。検査の結果、軽症だったことが判り、年内デビューを目標に切り替えて調整されている。
2頭ともにいい話題がなかっただけに、ブラヴァスの勝利は嬉しい知らせとなった。兄が4歳夏に初重賞勝利を挙げたように、本当に良くなるのはまだまだ先だろう。
レヴィオーサ、ディヴィーナともにじっくりと成長して、大舞台を賑わせる日を楽しみにしたい。