JRA「武豊×友道康夫厩舎」素質馬デゼルはアドマイヤビルゴに続けるか!? ローズS(G2)巻き返しのカギとなるのは

 20日、中京競馬場ではローズS(G2)が行われる。秋華賞(G1)の重要な前哨戦となるこのレースには春の牝馬2冠を制したデアリングタクトが参戦すると見られていたが、陣営は秋華賞への直行を発表している。

 秋華賞トライアルであるローズSは、3着以内の馬に秋華賞の優先出走権が与えられる。出て来れば勝利が濃厚な無敗の女王の参戦がなくなったことで実質1頭分の枠が増えるだけに、権利取りを目指す各馬の陣営にとって力が入るレースとなりそうだ。

 オークス(G1)でデアリングタクトに次ぐ2番人気に支持されながら、11着に大敗したデゼル(牝3、栗東・友道康夫厩舎)もこの秋の巻き返しを期す1頭である。

 父にディープインパクト、母は仏オークス馬の良血馬デゼル。3月の未勝利戦でデビューと遅かったが、経験馬相手に非凡な能力を披露した。スタートで出負けしたため、後方からの追走となったものの、直線では馬群の真ん中から上がり最速の脚で突き抜けた。

 コンビを組んだ鞍上の武豊騎手も「さすが良血馬ですね。スピードが乗ってからの走りがいい。フランスによくいる馬みたい」と評価した潜在能力の高さを改めて証明したのは、次走のスイートピーS(L)だろう。

 オークス出走には1着が必須条件となるこのレースで、フルゲート18頭立ての直線13番手から大外一気でゴボウ抜き。先行勢が残る超スローの流れから32秒5という異次元の切れを見せた。初コンビとなったD.レーン騎手は「2400mも走れると思う」とコメントも、次走の人気の後押しとなった。

 それだけに、11着に敗れたオークスが力負けでないことをローズSで証明したいところだ。

「オークスの惨敗は度外視可能でしょう。スイートピーSで強い勝ち方をしたため、中3週で再び長距離輸送した影響も大きかったと思います。デビューが3月だったように体質の弱さもあっただけに、キャリアの浅さも含めて力を発揮できなかった可能性が高いのではないでしょうか」(競馬記者)

 レース後にレーン騎手も「能力の高い馬ですが、今日がキャリア3戦目、仕方ないです。経験を積んで強くなってくると思います」とコメントしていたことからも巻き返しの余地は十分にあるだろう。

 また、今年のローズSは中京開催なのも歓迎だ。左回りで芝2000mという距離は、同じく左回りの東京競馬場の芝18000mだったスイートピーSと似ている条件だ。

 武豊騎手と友道厩舎のコンビといえば、先週のムーンライトH(3勝クラス)をアドマイヤビルゴが勝利したばかり。

 同じコンビで挑むデゼルも、持っている能力を発揮出来さえすれば、非凡な能力を垣間見せたスイートピーSの再現にも期待できそうだ。

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