JRAディープインパクトの偉大な母「レコード決着」上位独占! 5年10カ月ぶり重賞勝利は大舞台への“急行”券!? 断然人気フォイヤーヴェルクは……
障害レースでもレコード更新だ。
19日中京3Rディープインパクト産駒のレッドベルオーブが、中京芝1600mの2歳レコードを1.1秒更新。
さらに中京8Rの阪神ジャンプS(J・G3)では、タガノエスプレッソ(牡8歳、栗東・五十嵐忠厩舎)が中京芝3300m(障害)のレコードを1秒更新した。
勝ち時計の3.33.3は、2015年7月にスマートリバティーが記録した3.34.3を1秒上回っての勝利で、2着馬を8馬身突き放す圧勝となった。
タガノエスプレッソと言えば、デイリー杯2歳S(G2)を制し、弥生賞(G2)でも3着と平地でも活躍。3歳牡馬クラシックにも全て出走した競走馬だ。
今回の勝利はデイリー杯2歳S(G2)から、5年10カ月ぶりの重賞勝利。JRA史上最長間隔での勝利であるとともに、平地と障害での重賞制覇は史上13頭目の快挙となった。
なお、タガノエスプレッソの父はブラックタイドであるが、このレースには父母ウインドインハーヘアが4頭出走。父ブラックタイド、父ディープインパクトともに父にサンデーサイレンスを持った全兄弟で、産駒が阪神ジャンプSで3着までを独占。名繁殖ウインドインハーヘアの偉大さを知らしめるレースともなった訳だ。
また、父母ウインドインハーヘアで唯一7着と大きく敗れたのは、単勝1.5倍と断然1番人気の支持を得たフォイヤーヴェルクだった。
「障害に転向した後の近3走は、前走の新潟ジャンプS(J・G3)を含め3連勝中でした。ただ、3連勝は全て稍重~重と水分を多く含んだ馬場状態だっただけに、今回のようなレコードが出る馬場が合わなかったのかもしれないですね」(競馬記者)
実際、騎乗した森一馬騎手は「ペースが速いのは悪くないと思っていたけど、今日はあまりに速かった。促しながらだと飛越が乱れている感じでした」と敗因を分析している。
今回の阪神ジャンプSを制したタガノエスプレッソは、これで障害7戦目。唯一10着と大きく敗れたレースは、ゲートが開いてから3秒ほどたってゲートを出る「大出遅れ」だった。それ以外、芝障害レースの良馬場では、今回も含めて2戦2勝と底を見せていない。
「今回の勝ちっぷりからも年末の中山大障害(J・G1)が楽しみになりましたね。現在8歳と競走馬としては高齢ですが、障害界の絶対王者オジュウチョウサンもすでに9歳です。そろそろ世代交代といきたいところですね(笑)」(同)
本馬の馬名意味は「冠名+急行(伊)」。
年末の大舞台に向け、走り出した“タガノ急行”。G1制覇という到着駅は、すぐそこまで迫っているのかもしれない。