JRA和田竜二「上でも通用する」ナムラメーテル3馬身差完勝デビュー! 調教師「距離は延びた方がいい」牝馬クラシックに新星登場
21日、中京競馬場で行われた5R新馬戦(芝1600m)は、5番人気のナムラメーテル(牝2歳、栗東・鈴木孝志厩舎)が優勝。2着に3馬身差をつける圧巻のレースぶりで、牝馬クラシック戦線に大きく名乗りを上げた。
13頭立てで行われた芝1600mのレース。ナムラメーテルは8枠13番の大外枠からのスタートだったが、鞍上の和田竜二騎手が「スタートで、もう大丈夫だと思いました」と振り返った通りの抜群のスタート。あっさりと2番手につけた段階で“勝負あり”だったのかもしれない。
最後の直線で逃げたメモリーズを交わして先頭に躍り出ると、和田騎手のゴーサインに鋭く反応。スッと後続を突き放すと、最後は独走だった。
「発馬で1馬身以上飛び出す抜群のスタートでしたね。叔父に重賞2勝のナムラマースがいる程度の目立った血統ではなかったこともあって5番人気でしたが、和田騎手が『けいこ通り、競馬もしっかり走ってくれた』と話していた通り、調教は動いていましたし、好仕上がりでした。
一昨日(19日)にレッドベルオーブが記録した1:33.1のレコードと比較すると、勝ち時計の1:34.4は物足りませんが、走りには余裕がありましたし、時計もまだまだ詰められそう。地味な血統ですが、面白い存在になると思います」(競馬記者)
注目すべきは、父リオンディーズの活躍だろう。モーリス、ドゥラメンテが注目を集めている今年の新種牡馬だが、本馬もここまで9勝と2歳リーディングサイヤー争いの一角に食い込んでいる。繁殖牝馬の質を鑑みれば、大健闘といえるだろう。
「リオンディーズ自身が朝日杯フューチュリティS(G1)を勝った2歳王者というだけあって、産駒にも仕上がりの早さや良いスピードが伝わっているようですね。現在はブリーダーズ・スタリオンに繋養されているそうですが、種付けは今年も満口と人気ですし、いずれは社台スタリオンに“栄転”するかもしれません」(別の記者)
リオンディーズといえば母には日米オークスを制したシーザリオがいる。すでに兄エピファネイアが今年の二冠牝馬デアリングタクトを輩出し、今年の2歳も好調を維持するなど種牡馬として確固たる地位を築きつつある。そんな兄よりもスピードがありそうなリオンディーズも未来は明るいといえるだろう。
「上でも通用すると思います」
レース後、和田騎手がそう評価すれば、ナムラメーテルを管理する鈴木孝志調教師も「まずは1600mを使ったけど、体形を見ても距離は延びた方がいい」と、オークス(G1)を始め、翌年のクラシックを見据える。マイルG1馬のリオンディーズだが、産駒が中長距離でも活躍すれば、さらに評価が高まりそうだ。