JRAセントライト記念(G2)横山典弘ダノンファスト「絶好スタート」も最後は“後方ポツン”の大誤算……ミッキースワローの再現ならず菊絶望

 21日、中山競馬場で行われたセントライト記念(G2)は、4番人気バビットが優勝。同馬はこれで前走のラジオNIKKEI賞(G3)に続く重賞2連勝。2009年の勝ち馬である父ナカヤマフェスタとの親子制覇を飾った。

 自ら過酷なラップを刻むロングスパートでレースを支配したバビットの走りは、3冠を目指すコントレイルにとっても本番で脅威となるかもしれない。コンビを組んだ内田博幸騎手も会心の勝利に「折り合いがつくので、良い形でこの馬のレースができれば、チャンスはあると思います」と無敗の3冠阻止に向け、強い意欲を見せた。

 その一方で、残念な結果に終わったのが、横山典弘騎手とダノンファスト(牡3、美浦・菊沢隆徳厩舎)のコンビだ。

 ここまで7戦して5戦を出遅れたダノンファストにとって課題とされたスタートはむしろ絶好。バビットが飛ばす流れを中団やや後方から追走し、後は鋭い末脚を繰り出した前走の再現を狙うだけだった。

 だが、ペースを上げたバビットに反応して有力各馬が動き出す中、ダノンファストの手応えは悪くズルズルと後退。直線半ばから横山典騎手は追うこともなく、大きくな離された最後方でゴールを通過した。

「血統的にも芝向きでしたからこの結果は残念です。ダートとはいえ、1800mをこなしていましたから2200mの距離に問題があったのかどうかはわかりません。

ただ、母は気性的な問題もあってマイラーでしたから、ダノンファストにも難しいところが出た可能性もあります」(競馬記者)

 昨年11月にデビューしたダノンファストは、芝の新馬戦と未勝利で2戦したものの、どちらも出遅れが響いて3着に惜敗。新たな可能性を見せたのは、3戦目に使われたダートの未勝利戦(1800m)だ。このレースを大差勝ちすると、そのままダートの天の川賞(2勝クラス)では、古馬相手にモノの違いを見せつける圧勝を飾っていた。

 血統的にも母のダンスファンジアは現役時代にダートのレースを使われたことがなく、祖母に桜花賞馬ダンスインザムードを持つダノンファスト。ダートで結果を出したとはいえ、芝の重賞に使うことは不思議ではなかったはずだ。

 また、セントライト記念は菊沢隆徳厩舎と横山典騎手のコンビにとっても、17年にミッキースワローで優勝した縁起のいいレースもあった。

 陣営としてもダートから出戻った芝の重賞を勝って、打倒コントレイルの新星に名乗りを上げたかっただけに、ここまでの敗戦は想定外だっただろう。

 前走は競馬ファン曰く「後方ポツン」から直線一気で大逆転を決めたダノンファストと横山典騎手のコンビ。今回は12頭立てのレースで11着馬からさらに5馬身後方を”ポツン”とゴールすることになった。

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