JRA「超低レベル?」バビットが打倒コントレイル、菊花賞(G1)制覇へ。セントライト記念で大ベテラン内田博幸が試した「2つ」のこと
21日、中山競馬場で行われた菊花賞トライアル・セントライト記念(G2)は4番人気のバビット(牡3歳、栗東・浜田多実雄厩舎)が優勝。無敗の三冠制覇が懸かる絶対王者コントレイルに挑戦状を叩きつける結果となった。
「コントレイルを倒すのは、この馬しかいない――」
これで重賞連勝を含む4連勝となったバビットだけに、そんな期待が掛かるのも当然か。それとも、わずかでも美味しい配当にありつきたい穴党の単なる“妄言”か――。ネット上に散見されるファンの声を拾いながら、冷静に先週のセントライト記念を振り返ってみたい。
まず、今年のセントライト記念は「低レベル」という声がある。
それもそのはず。勝ち時計2:15.0は、重馬場で行われた昨年よりも3.5秒も遅く、良馬場でこれよりも遅かったのは1997年まで遡ることになる。そんなレースを1000m通過62.6秒のペースで“楽逃げ”して勝ったのだから、バビットはコントレイルには遠く及ばないというわけだ。
しかし、ここには「落とし穴」がある。それは最後の1ハロンが12.7秒(レース全体で下から3番目)も掛かっているにも関わらず、バビットが逃げ切っている点だ。
ラスト200mがここまで遅くなるということは、逃げ馬(バビット)が止まっているというわけだ。これで逃げ馬が勝つパターンとして大逃げが挙げられるが、最後の直線入り口でバビットのリードは1馬身程度しかなかった。サトノフラッグやガロアクリークといったところが直前まで迫っていることは、記憶に新しいはずだ。
では、何故“止まった”バビットが差されなかったのか。単純にサトノフラッグやガロアクリーク以下、ライバルを弱かったと断ずるのは、やはり少々強引だろう。
「謎」を解くカギは、鞍上の内田博幸騎手のコメントにありそうだ。