JRA順調コントレイルの裏に「歴代ホースマン」の英知。「厩務員が泣いた」ディープインパクト、「単勝1.0倍裏切る」ナリタブライアンが陥った夏のワナ
いよいよ、史上3頭目となる無敗の三冠を目指しコントレイル(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)が、27日の神戸新聞杯(G2、中京・芝2200m)から始動する。
ここまでG1・3勝を含むデビュー5連勝。特に、皐月賞(G1)で半馬身差の接戦を演じたサリオスを3馬身突き放した日本ダービー(G1)の走りは、陣営に「三冠」を強く意識させるものだったに違いない。
この夏は鳥取県の大山ヒルズで過ごし、今月4日に帰厩。矢作芳人調教師が「良くなり過ぎているくらい。とにかく順調に来ているよ」と言えば、1週前追い切りに跨った主戦の福永祐一騎手も「トモが春とは全然違う。いい夏を過ごせた証拠」と改めて順調さを強調。
日本競馬史でシンボリルドルフ、ディープインパクトの2頭しか達成していない偉業へ、関係者には想像を絶するプレッシャーがあったことは容易に想像できるが、極めて円滑に夏を過ごせたと言えるだろう。
しかし、改めて「歴史」を紐解いてみると、これまで培われてきたホースマンたちの努力と英知が、今のコントレイルの順調さに少なからず関係していることがわかる。
1994年の菊花賞(G1)を7馬身差で圧勝し、史上5頭目の三冠を達成したナリタブライアンだが、実は秋初戦の京都新聞杯(G2)では2着に敗れ、単勝1.0倍を裏切った経緯がある。
当時、その最大の敗因と言われたのが日本ダービー後の「夏の過ごし方」だった。