JRA史に残るオールカマー伝説の大逃げ ~君はツインターボを知っているか?~
ツインターボはなぜ逃げ続けたのか、筆者は以前同馬を管理していた笹倉調教師に話を聞いたことがある。笹倉氏によれば、ツインターボは「とにかく繊細で怖がりだった。それを周りに悟らせないため、逃げに徹した」とのことだった。つまりツインターボの大逃げは、同馬の弱点を補うための戦法だったのである。ちなみに地方交流重賞の帝王賞に出走した時は、出遅れて逃げることができなかったが、JRAに出走した22戦はすべて逃げている。そして重賞3勝という見事な成績を残したのである。
今ではツインターボのような、大敗か圧勝かというレースを見る機会は少ない。確かにツインターボの逃げはリスクもあったが、間違いなくファンの記憶に残るものであった。競馬において記録が大事なのは間違いないが、記憶に残る馬もファンにとって立派な名馬である。そしてそういった馬こそが、長く競馬ファンに語り継がれていくのである。
ツインターボの逃げは、まさに生き様だった。そんな生き様を見せてくれるレースが見てみたいものである。