JRA横山典弘「見ての通り。何もなければいいが……」志半ばディープインパクト産駒の姉に託された夢の続きは弟へ
その変幻自在な騎乗ぶりから「ノリマジック」などと称される騎乗をする横山典弘騎手。
馬の状態を読みとる感覚に優れているのか、時にはファンが理解できないような騎乗をする事もある。
そんな横山騎手が3日のシリウスS(G3)で騎乗するのが、アルドーレ(牡5歳、栗東・昆貢厩舎)だ。
アルドーレの半姉には、JBCレディスクラシック(G1)を制したアンジュデジールがおり、馬主や厩舎もアルドーレと同じだった。
アンジュデジールの父ディープインパクトは、自身の競走成績さながら産駒も芝での活躍が目立つ。コントレイルの日本ダービー(G1)制覇などを筆頭に、2020年は現時点で芝158勝。その半面、ダートでは25勝と芝適性に偏っているのは明らかだ。
そんなディープインパクトの産駒に、JBCレディスクラシックでダートG1初勝利をもたらしたのがアンジュデジール。4歳11月でG1の勲章を手にした本馬は、まだまだこれからという時期だった。
次のチャンピオンズC(G1)でも4着と好走を果たしたアンジュデジールに、横山騎手は「このくらいは走れると思っていた」とレース後にコメント。牡馬混合のG1でも、十分に戦える能力を示した。
年が明け、フェブラリーS(G1)に向けての前哨戦として挑んだ東海S(G2)。
しかし、そこで本馬をアクシデントが襲う。
レース中、歩様に異常を感じた横山騎手が直線で追うのを止めたのだ。途中、何度も後ろを振り返り後方を確認したのは、落馬を危惧しての事だろう。レース後、横山騎手は「見ての通り。何もなければいいが……」と馬の状態を案じた。
その後、アンジュデジールは2度のレントゲン検査を受けるが異常は見られず。横山騎手の思い過ごしかとも思われたが、3度目の検査で左前脚に軽度の骨折が判明。フェブラリーSを回避する事となった。