JRA横山典弘「見ての通り。何もなければいいが……」志半ばディープインパクト産駒の姉に託された夢の続きは弟へ

 昆貢調教師は「1、2か月で治るようなものだと思う」とコメント。軽傷かと思われたが、その後はレースに復帰する事なく競走馬登録を抹消する事となった。

 引退後は、生まれ故郷の辻牧場で繁殖入り。G1を勝利し、牡馬混合G1でも好走。まさにこれからという時期だっただけに、無情な出来事であった。ただ、横山騎手の判断がなければ馬の命に危険すらあったかもしれない。そう思うと、横山騎手の鋭い感覚がアンジュデジールを救ったともいえるだろう。

 そんな姉を持つ半弟アルドーレ(父オルフェーヴル)も母の血を受け継ぐ馬らしく、ここまでダートで勝ち星を積み上げてきた。前走の阿蘇S(OP)を快勝し、シリウスSでの好走が期待される1頭だ。

 前走騎乗した浜中俊騎手は「いい位置を取れたし、速い流れでもついていけた。ラストもいい脚だったし、合わないと思っていた小回りで走れたのも良かった」とコメントしており、小倉からの中京替わりもプラスとなりそうだ。

 アルドーレは現在、姉が引退した年齢と同じ5歳である。志半ばで引退を余儀なくされた姉に代わって、まだまだ活躍してくれるだろう。

 目指すはもちろん、同じG1の舞台。姉で見た夢の続きを――

 横山騎手にとっては、思い出深い馬の弟。きっと、期待感も高まっているはずだ。

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