JRA池江泰寿調教師「泣かないの?」北村友一、初G1制覇から約1年半――「精神的成長」は唐突なG1勝利から!?
11日、京都競馬場メインレース京都大賞典(G2)に、シルヴァンシャー(牡5歳、栗東・池江泰寿厩舎)が出走を予定している。
鞍上は前走のM.デムーロ騎手に替わり、北村友一騎乗が手綱を握る。
北村友騎手と池江調教師といえば、北村友騎手が初G1制覇を飾ったアルアインとのコンビが印象的だ。
9番人気の伏兵として挑んだ大阪杯(G1)。
内の絶好枠を引いたアルアインであったが、北村友騎手のエスコートも実にスムーズだった。最内の2列目をキープしたアルアインは、経済コースを通った分4コーナーでも持ったままの手応え。直線で追い始めると残り200mを切って先頭へ立ち、そのまま後続の追撃を振り切った。
これが、初のG1勝利となった北村友騎手。伏兵での唐突なG1勝利に「本当によかったなあ……としか、今は何も思い浮かばないです」と呆然とした様子だったという。
『スポーツナビ』によると、池江泰寿調教師に「泣かないの?」と冗談で問われたそうだが、それでも涙は出なかったそうだ。感情を表に出さない強さが、冷静な騎乗を生んだのかもしれない。
そんな、肝の据わった北村友騎手が、京都大賞典で騎乗するシルヴァンシャーは、デビュー戦で1.3倍に支持されたほどの期待馬だった。
しかし、トモの緩さ、体質の弱さなどから続けて使う事ができず、5歳の後半にして今回が10戦目。2018年には国東特別(1勝クラス)で北村友騎手も騎乗しているが、スローペースで後方からの競馬となった。最後の直線では内を突くも、前が狭くなるロスが響き5着に終わった。
レース後、北村友騎手は「ペースが速くなった時に、外から上がっていく脚がなかった。それで内に行きましたが、スペースがなくなってしまって……」と、不完全燃焼の競馬。ジョッキーにも焦りがあったのかもしれない。
シルヴァンシャーは、その後に骨折が判明。6カ月の休養を経て挑んだ昨年の京都大賞典は3着と健闘したものの、さらに捻挫して7カ月の放牧。休養明けで挑んだ天皇賞・春(G1)では、14着に惨敗した。