JRA毎日王冠(G2)サトノインプレッサ「大出遅れ」から痛恨のブービー賞……レース30分前から見せていた「予兆」とは
11日(日)、昼過ぎに「重」から「稍重」に回復した東京競馬場の芝1800mで、注目の毎日王冠(G2)が行われた。
単勝1.3倍の圧倒的1番人気に支持されたのは、春のクラシックでコントレイルと好勝負を繰り広げたサリオス。道中4番手の好位を進み、終始余裕たっぷりの競馬で、2着のダイワキャグニーに3馬身差をつける圧勝劇を演じた。
一方で2番人気の支持を受けたのが、もう1頭の3歳馬サトノインプレッサ(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)だった。
レースでは、兼ねてから課題とされるゲートで、またも悪癖が顔を出してしまう。スタートと同時に立ち上がってしまい、痛恨の出遅れ……。
7日の最終追い切り後に、矢作調教師が「練習では大人しいんだけど、競馬に行くと色々と暴れてしまうので……」とゲート内での課題を口にしていたが、まさに陣営の悪い予感が的中した形となったしまった。
「陣営も出遅れはある程度、想定していたと思いますが、これまでで一番ひどいスタートになってしまいましたね。それでもレースは速いペース(最初の1000mを57秒9)で流れていたので、掲示板には届くと思ったのですが、直線最後は戸崎(圭太)騎手が無理をさえず、流すほどでした」(競馬誌ライター)
馬場の影響もあったのか、道中の反応はイマイチ。直線でムチが入ってもいつもの伸びはく、結果はブービーとなる10着。デビューから道悪実績はあっただけに、サトノインプレッサの馬券を買っていたファンには期待外れの感が否めないだろう。
明暗を分けた形のサリオスとサトノインプレッサ。しかし、その予兆はレース30分前のパドック周回時からあったという。
「3歳馬2頭は、ともに日本ダービー(G1)以来。秋の始動戦でしたが、馬体重は+10kgのサリオスに対し、サトノインプレッサは+2kg。サトノインプレッサのすぐ後ろを周回していたサリオスは、とても3歳とは思えない馬体で、風格の違いは明らかでした。また、サトノインプレッサは、入れ込みと発汗に加え、厩務員に甘える仕草を見せるなど、気性的にまだ若いところが露呈していましたね」(同)
3歳馬2頭の差はダービーでの0秒3から、ひと夏越して1秒7に広がった。また、ダービーで4着だったサトノインプレッサが大敗を喫したことで、夏競馬から囁かれている「2強(コントレイル・サリオス)以外の3歳世代は低レベル」という説の信憑性が高まったともいえるだろう。
レース後、鞍上の戸崎騎手は「直線で追い出すと反応がなく、のめる感じでした。重馬場はこなしていたので、大丈夫と思っていましたが、馬場を気にしたのか伸びませんでした」とぬかるんだ馬場に敗因を求めた。今回は休み明けという言い訳もできるが、ダービー4着馬にとって次の一戦が試金石となりそうだ。