JRA秋華賞(G1)武豊「不在」も、騎乗した4頭へのコメントから読み解く「激走候補」。最大の惑星は最もコンビを組んだあの馬か
3頭目が過去3戦で手綱を取ったパラスアテナ(牝3歳、美浦・高柳瑞樹厩舎)だ。初めて騎乗したカーネーションC(1勝クラス)の時は「レース前は少しテンションが高かったのですが、競馬にいけば乗りやすかったです。能力があります」と課題を挙げながらも高く評価していた。
その一戦でパラスアテナの可能性を見いだしたのか、続くラジオNIKKEI賞(G3)では福島遠征を敢行。しかし、1番人気に支持されるも、4着に敗れた。レース後、武騎手は、「レース自体スムーズで、思い通りの競馬ができました。フットワークがきれいで、切れる脚を使う馬なので、馬場が悪くなり過ぎました」と敗因を分析していた。
10番人気まで評価を落とした紫苑S(G3)では、稍重馬場のなか2着に食い込んだ。レース後、「大外枠でしたが、うまく流れに乗れました。絶好調という感じではありませんでしたが、それでも力は見せてくれましたし、もっと良くなると思います」と、さらに上昇する可能性も示唆していた。中間も順調に調整が進められており、良馬場ならそれ以上好走があってもおかしくないだろう。
4頭目がディープインパクト産駒のオーマイダーリン(牝3歳、栗東・河内洋厩舎)だ。デビューから11戦中6戦で武騎手が手綱を取っている。
デビュー2戦目の未勝利戦を豪快な差し切りで勝ち上がったが、武騎手はそのレースを『武豊TV』で次のように回顧していた。
「デビュー戦は調教ほどの動きを見せられず、ショックでしたが、(2走目は)良馬場が良かったですね。いい馬です。良血馬ですし、楽しみです」
デビュー戦は渋った馬場を気にしたのか、伸びきれず3着。2戦目で変わり身を見せたように、レースを経験するごとにキレは増している。春からほぼ休みなく使われているが、崩れたのは関東に遠征したスイートピーS(L)くらい。関西圏の競馬では大崩れしていないのも強調できる。
シンザン記念(G3)後には「キャリアも浅くこれから良くなっていくと思います」と話していたように、11戦というキャリアは逆にプラス。ローズS(G2)の3着は成長の証と呼べるだろう。脚質的に展開の助けは必要になるが、連闘策でリアアメリアに迫った脚を再現できれば、面白い存在だ。
武騎手のコメントともに4頭の可能性を探ってみたが、最も多い6度も手綱を取ったオーマイダーリンが見立て通り成長しているとなれば、狙い目ではないだろうか。もしこの馬が好走すれば、万馬券は必至。鞍上が代打騎乗には定評がある幸英明騎手というのも魅力だろう。
武騎手不在の秋華賞で、いったいどの馬が最先着を果たすだろうか。