JRA藤原英昭調教師「武豊じゃないと勝ってない」と絶賛! コントレイル世代「未完の大器」が引退……「大物」全弟に託されたG1制覇

 17日、レッドベルジュール(牡3歳、栗東・藤原英昭厩舎)の競走馬登録抹消がJRAから発表された。

 デビュー戦を快勝し、デイリー杯2歳S(G2)を連勝で飾った本馬。当初騎乗を予定していたL.デットーリ騎手がメルボルンC(豪G1)の斜行で騎乗できなくなったため、乗り馬のいなかった武豊騎手を鞍上に出走した。

 レースでは最後の直線で最内を突き、完璧な騎乗で差し切った武豊騎手。

『武豊TV!II』(フジテレビ系)では、この騎乗について藤原英昭調教師が「(武)豊じゃないと勝っていない。100点や」と話していた事が紹介されており、番組に出演する武豊は「それはちょっと褒めてもらい過ぎだと思うんですけど……」と謙遜している。

 続く朝日杯FS(G1)ではC.スミヨン騎手に乗り替わったが、見せ場なく10着に敗れる。レース後、スミヨン騎手は「フォームがバラバラでスムーズに走れていなかった。スタートもフォームも前走とは違った」とコメントしており、もうこの時点で本馬の歯車は狂い始めていたのかもしれない。

 トモが緩く、デビュー戦後はソエや背腰に疲れが出るなど、体質的な弱さを持っていたレッドベルジュール。左の弁の動きが悪く、喉頭片麻痺を起こしている事がデイリー杯2歳S前に判明するなど、何かと問題を抱えていた。

 喉の手術を年明けに行い立て直しを図ったが、状態はさらに悪化。軽微ではあるものの骨折も判明し、その能力を惜しまれつつも引退を余儀なくされた。

 今後は種牡馬として、北海道新ひだか町のアロースタッド繁用される予定。第2の馬生としての活躍を期待したい。

 しかし、レッドベルジュールには競走馬として後を担う存在もいる。全弟のレッドベルオーブ(牡2歳、栗東・藤原英昭厩舎)だ。こちらも藤原厩舎に所属しており、兄と比べ体質はしっかりしている。

 デビュー戦で2着となった本馬は、2戦目の未勝利戦をレコードで圧勝。初戦で手綱を握った戸崎圭太騎手は「いい馬でポテンシャルの高さは感じました。今日は踏み遅れてしまったのが悔やまれます……」とメンバー最速の上がりを使いながらも、前を捉えきれずの2着。

 これには藤原調教師から「あれだけスタート出たのなら、もっと前に行かないと……」と、本馬が所属する東京サラブレッドクラブの公式HPには戸崎騎手を叱責するコメントが掲載された。その後に綴られた「乗り方ひとつで勝てていたでしょう」というコメントからも、初戦から勝ちに等しいパフォーマンスは見せているといえるだろう。

 レッドベルオーブの次走は、兄が勝利したデイリー杯2歳Sを予定。ここを勝利すれば、兄と同じ朝日杯FSに進む可能性も十分に考えられる。

「未完」のまま引退を余儀なくされた、兄のレッドベルジュール。託されたG1制覇は、「大器」と騒がれる弟・レッドベルオーブが果たしてくれるはずだ。

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