JRAアーモンドアイ世代からまたも女王候補!? 府中牝馬S(G2)サラキア完勝「初物男」北村友一は悩める池添学厩舎に初G1を届けられるか

サラキア 競馬つらつらより

 アーモンドアイ世代から、また新たな大物誕生か――。

 昨日から降り続けた雨で、重馬場となった東京競馬場。17日に行われた府中牝馬S(G2)は、下位人気3頭で決着する大波乱となった。

 勝利したのは7番人気のサラキア(牝5歳、栗東・池添学厩舎)で、シャドウディーヴァ(6番人気)、サムシングジャスト(8番人気)と続き、3連単は8頭立てながら18万9020円。外から豪快に差し切ったサラキアは、夏の小倉日経オープン(OP)に続く連勝となった。

 2走前に乗り替わった北村友一騎手がともに手綱を握り、サラキアでの騎乗では4戦3勝で2着1回と非常に相性がいい。

 前走の小倉日経オープンでは、スタートが合わずに後方からの競馬。4コーナー手前から捲り気味に前へ進出すると、直線でもその勢いは衰えず大外一気の末脚で快勝。今回の府中牝馬Sにしても馬場こそ違うが「大外一気」の脚はまさに前走の再現で、以前とはまるで見違えるものだった。

 元々、道悪での成績が伴わなかった本馬であるが、それも府中牝馬Sで克服。愛知杯(G3)9着、エプソムC(G3)13着と、道悪で敗れたのがウソだったかのような快勝劇だ。

 3歳No.2といわれるサリオスの姉という血統背景はスケールがあり、今年5歳を迎えているアーモンドアイ世代から、また新たな大物牝馬が誕生したといっても過言ではないだろう。

 騎乗した北村友騎手は「折り合いを気にしないといけないタイプですが、今日は脚を取られているぐらいだったので、ちょうど良かった」とコメント。雨で折り合いがついた事が、逆に勝因となった。

 管理するのは40歳になった池添学調教師。父は池添兼雄調教師、兄は池添謙一騎手という競馬一家のまさに「サラブレッド」だ。2015年に厩舎を開業し、新規調教師の中で1番星を手にすると、初年度にJRAタイ記録の21勝をマークしている。

 ただ、毎年のようにノーザンファーム産の有力馬を委託されているが、これまで重賞は2勝止まりで、G1制覇には至っていない。それどころか、同世代の調教師に後れを取っているのが現状だ。

 同期で同じ1980年生まれの松下武士調教師は、昨年12月にレシステンシアで阪神JFを制してG1初制覇。秋には1期後輩で38歳の斉藤崇史調教師が、クロノジェネシスの秋華賞でG1初制覇を飾っている。

 2期後輩で38歳の杉山晴紀調教師に至ってはケイティブレイブでJBCクラシック(G1)を勝利。さらに、デアリングタクトで牝馬クラシック2冠を達成している。秋華賞(G1)では「無敗の牝馬3冠」がかかっており、G1未勝利の池添調教師も焦る気持ちがあるだろう。

 しかし、今回のサラキアで重賞3勝目を挙げた池添調教師にとって、北村友騎手は縁起のいい騎手といえるかもしれない。

 なぜなら、北村友騎手が昨年挙げたG1・3勝のうち、2勝が前述した斉藤調教師と松下調教師への初G1プレゼントだったからだ。

 これで晴れて重賞ウィナーとなったサラキア。このまま同騎手で続戦となれば、池添調教師への初G1制覇も北村友騎手がもたらすのだろうか。

 弟サリオスに続くG1制覇へ――

 アーモンドアイに続く「最強牝馬」の座は、この馬が引き継ぐのかもしれない。

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