JRA福永祐一「キングカメハメハ最後の大物」を大絶賛! 「次は重賞を使ってもいい」大胆騎乗でコントレイル菊花賞(G1)に視界良好
18日、京都競馬場で行われた5R新馬戦(芝2000m)は福永祐一騎手の1番人気グロリアムンディ(牡2、栗東・大久保龍志厩舎)が優勝。2着に2番人気ダノンハイファイブ、3着には8番人気マダムシャルルが入った。勝ったグロリアムンディは父キングカメハメハ、母ベットーレ、という血統。稍重で2分5秒8の勝ち時計だった。
レース後、福永騎手は「走ります。なかなかいい脚を使ってくれました。楽しみな馬です。次は重賞を使ってもいいくらいです」とポテンシャルの高さを絶賛。デビュー勝ちしたばかりの馬に対し、早くも”重賞級”の太鼓判を押した。
11頭立てのレース。グロリアムンディはスタートこそ悪くなかったが中団後方の位置取り。福永騎手はリズム重視で内目の7番手からの追走となった。だが、稍重の馬場とはいえ、1000m通過1分4秒6というスローの展開に馬群が凝縮。
いつのまにかグロリアムンディの前には先行馬がずらりと並び、外にも3頭が併走する形。四面楚歌ともいえる状況に行き場がなくなり、万事休すかと思われた。
だが、そこは土曜京都で自己最多となる1日6勝を挙げ、年間100勝を達成していた福永騎手。あえて追い出しを待ったことも自身の好調ぶりを後押しするような好判断だ。スローの展開を他馬が早めに追い上げたことで、外に出す進路がクリアになった。
満を持して大外に持ち出されると、そこからのグロリアムンディの末脚は圧巻だった。直線だけで前の馬を一気に抜き去ってしまった。
もしかしたら昨年他界したキングカメハメハにとって、最後の大物産駒になるかもしれない。直線で見せたグロリアムンディの末脚はそれほど際立っていた。2歳のこの時期で栗東の坂路を51秒7で駆け上がった脚力を存分に披露したデビュー勝ちといえる。
「位置を取りに行かない間にどんどんポジションが悪くなって、前が塞がったときにはヒヤッとしました。普通の騎手なら四方を囲まれた状況で慌てそうですが、進路を確保するまで待った福永騎手の冷静さが光りましたね。
また、他の馬を先に行かせてからのゴーサインでしたが、届きそうにないような位置から楽々と差し切ったグロリアムンディの強さも際立ちました。並の馬ならあの展開ではとても勝つことは難しいと思います」(競馬記者)
グロリアムンディの父は昨年亡くなったキングカメハメハ。同じく昨年亡くなった種牡馬時代のライバル・ディープインパクトは菊花賞で無敗3冠を狙うコントレイルを出した。
奇しくもそのコントレイルとコンビを組む福永騎手が重賞級の太鼓判を押したグロリアムンディ。
次走が楽しみな馬の誕生となった。