JRA「3歳マイル軍団」の絶望……コントレイル福永祐一、富士S(G2)完勝も、マイル王ラウダシオン「安田記念10着馬」に完敗

 24日、東京競馬場で行われた富士S(G2)は、5番人気のヴァンドギャルド(牡4歳、栗東・藤原英昭厩舎)が優勝。明日の菊花賞(G1)でクラシック三冠に挑む福永祐一騎手にとっては“前祝い”の重賞制覇となった。

 その一方で、今後に大きな不安を残したのが、伸び盛りの3歳馬だ。

 12頭立てで行われたこの日の富士Sには、NHKマイルC(G1)の覇者ラウダシオンを筆頭に、同4着のタイセイビジョン、桜花賞(G1)3着のスマイルカナ、ニュージーランドT(G2)2着のシーズンズギフト、日本ダービー(G1)で3番人気だったワーケアら5頭の有力馬が参戦。世代の中での“格”を考慮すれば、上位独占も狙えるだけの豪華布陣だった。

 しかし、結果はラウダシオンこそ1馬身1/4差の2着と格好を付けたが、4番人気のタイセイビジョンは5着が精一杯……。8着ワーケア、10着スマイルカナ、最下位12着にシーズンズギフトと、3歳馬にとっては厳しい結果となった。

「今年のNHKマイルC(G1)に出走した馬たちですが、その後2勝クラスまでは勝ち上がれても、そこから壁にぶつかっている印象です。それだけにこの日の富士Sは、3歳のトップマイラーにとって結果が求められる一戦でしたが、やや物足りない結果に終わりましたね。

3歳マイル王のラウダシオンこそ2着でしたが、春の安田記念(G1)で10着だったヴァンドギャルドが勝利したように、相手の古馬は決して一線級とは呼べないレベル。本番のマイルCS(G1)へ、小さくはない不安を残す結果となりました」(競馬記者)

 記者が話す通り、今年のNHKマイルCに出走した18頭の「その後」に目をやると、2勝クラスこそ勝ち上がるものの、3勝クラス以上では大いに苦戦しているようだ。

 3着ギルデッドミラーが中京記念(G3)1番人気6着、信越S(L)1番人気12着、5着ルフトシュトロームが京成杯オータムH(G3)2番人気16着、7着ウイングレイテストが秋風S(3勝クラス)1番人気10着、13着サトノインプレッサが毎日王冠(G2)2番人気10着など、まさに「悲惨」と述べざるを得ない状況。

 それだけに、この日の富士Sは3歳マイラーの巻き返しが期待されたが、またも古馬の壁に跳ね返されてしまった。

「正直言って、富士Sに出走した3歳馬で、本番のマイルCSで通用しそうなのはラウダシオンくらいですね。というのも、この日の富士Sは古馬との斤量差が2kgありましたが、マイルCSでは1kg差に縮まります。

G1勝ちのあるラウダシオンこそ古馬と同じ56kgでの出走でしたが、54kg以下で敗れた他の3歳勢が本番で巻き返すには、相当な上積みが必要になりそうです」(別の記者)

 今秋のマイルCSには、春の安田記念を制したグランアレグリア、昨年のマイル王インディチャンプなどを筆頭に、毎日王冠(G2)を完勝したサリオス、昨年の香港マイル(G1)の覇者アドマイヤマーズなど、近年でも屈指の好メンバーが出走予定。富士Sを快勝したヴァンドギャルドだが、本番では伏兵の域を出ないようだ。

 毎年、古馬との戦いが始まる夏・秋競馬を通じて注目を集める「世代レベル」。クラシック戦線こそ毎日王冠をサリオスが完勝してレベルの高さを証明したが、一方でマイル路線ではトップホースが苦戦し、その実力が不安視されていた。

 それだけに今回の富士Sは、3歳マイラーにとってショッキングな結果となってしまった。

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