JRA菊花賞(G1)C.ルメール「悪魔的戦略」に福永祐一コントレイル戦慄……「ちょっと不味いなと」絶対王者を追い詰めた3000m徹底マークの「2つの狙い」
25日、京都競馬場で行われた菊花賞(G1)は1番人気のコントレイル(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)が優勝。シンボリルドルフ、ディープインパクトに続く、史上3頭目となる無敗での牡馬三冠を達成した。
「思った以上に接戦になりました」
レース後、主戦の福永祐一騎手が振り返った通り、コントレイルにとって三冠レース……いや、これまでのキャリアで最も追い詰められた一戦だった。最後の直線はアリストテレスとのマッチレース。「相手の馬の手応えがよかった」と話す通り、最後は壮絶な叩き合いとなったが、クビ差残したのは王者の底力か。
そんな歴史に残る接戦の裏には、アリストテレスの鞍上C.ルメール騎手の恐ろしいまでの完璧な「戦略」があった。
2枠3番のコントレイルから、やや外側の5枠9番からのスタートとなったアリストテレス。お互いに好スタートを決めると、福永騎手がやや下げるのを見て、ルメール騎手も同じように控える。スタート直後の1コーナーに飛び込む頃には、すでに大本命馬の外側へぴったりと張り付いていた。
大本命馬がいるレースにおいて、1番人気をマークしながらの競馬は決して珍しい光景ではない。だが、ルメール騎手には「2つ」の狙いがあった。
1つは、コントレイルをぴったりマークし続けることで、相手にストレスを与え続けることだ。