JRA「牝馬3強」最後の砦メジャーエンブレム初仔が始動! C.ルメールを背に見据える先は母同様「世代最強争い」!?
今年も何かと注目を集める“超良血馬”と呼ばれる競走馬たち。宝塚記念(G1)勝ち馬マリアライトの産駒オーソクレース(父エピファネイア)がアイビーS(L)を勝利すると、母にG1・6勝を挙げた名牝ブエナビスタを持つブエナベントゥーラ(父モーリス)も初戦を落としたものの、2戦目を危なげなく勝利した。
また、アパパネ×ディープインパクトの12冠ベビー・アカイトリノムスメも2戦目で初勝利を挙げ、次走にはかつて母が制した赤松賞(1勝クラス)に向かう予定だといい、これからの活躍が期待されている。
両親が多くのG1を勝利した良血馬たちの一挙手一投足に熱視線を向けるファンは多い。そして今週末にもまたなにかとファンの関心を引くことになるだろう超良血馬が1頭デビューを控えている。それがプレミアエンブレム(牝2、美浦・田村康仁厩舎)だ。
プレミアエンブレムは、父にルーラーシップ、母は阪神ジュベナイルF、NHKマイルCと、マイルG1で2勝を挙げたメジャーエンブレム、母父はダイワメジャーという血統を持つ。サンデーレーシングで、1口125万円で40口募集されていた。
期待の新馬の初戦は11月14日(土)の東京芝1800m戦で、鞍上には母メジャーエンブレムの背を知るC.ルメール騎手が配される予定。また時期こそ違えども、東京芝1800m戦は母がデビュー戦Vを飾り、その後の飛躍につなげた舞台だ。管理する田村師も以前からスポーツ紙の取材に、「骨量があって見栄えのする馬体。距離は1600m以上が合いそうなイメージがありますね」と語るなど、初戦から期待は高まる。
母馬メジャーエンブレムは早くから活躍し、3歳となる2016年の春にはシンハライト、ジュエラーとともに「牝馬3強」と並び称されていた。その年の牝馬3冠は、史上空前のハイレベルな争いになると予見されていたものの、3頭が相見えたのはジュエラーが勝った桜花賞(G1)の1度のみ。その際、メジャーエンブレムはルメール騎手を背に単勝1.5倍と圧倒的な支持を集めるも、いつもの積極的な競馬をすることなく4着。ルメール騎手には大きな批判が集まった。その後、再び3頭が揃って出走することはなく、それぞれ故障が原因で若くして引退を余儀なくされ、若くして繁殖入りを果たしていた。
「『牝馬3強』ではシンハライトの初仔セブンサミット(父モーリス)がデビューを果たしたものの、2戦して未勝利。またエイシンフラッシュとの交配の末に産まれたジュエラーの初仔ハイジュエラーは、デビュー前にへい死しています。
メジャーエンブレムの初仔であるプレミアエンブレムは繁殖牝馬入りを果たすも苦難が続く『牝馬3強』の最後の砦的な存在。新馬戦から牝馬クラシックを意識させる走りをみせてほしいですね」(競馬誌ライター)
プレミアエンブレムは母同様、ライバルたちと世代最強を争う舞台にまで歩を進めることができるのか。まずは新馬戦を見守りたい。