JRAエリザベス女王杯(G1)三連単「154万」の大波乱再び!? ラッキーライラックに不吉な“何か”……「奇策」が呼び込んだ勝利に「勝負服」宿る“サムシング”
京都競馬場の改装工事で、15日のエリザベス女王杯(G1・芝2200m)は阪神競馬場で行われる。
阪神2200mといえば、オープン戦では宝塚記念(G1)とすみれS(L)のみという「特殊」なコース。非根幹距離(400mで割り切れない距離)という芝G1では4レースしかない距離設定でもあり、今年は“何か”が起こりそうな予感がする。
エリザベス女王杯に出走するサムシングジャスト(牝4歳、栗東・松田国英厩舎)は、昨秋からの地力強化が著しい一頭。オーナーはグリーンファームで、エリザベス女王杯でこの「勝負服」を見るとクィーンスプマンテが思い出される。
第34回エリザベス女王杯。レースは18頭立てで行われた。好スタートから先手を奪ったクィーンスプマンテ。2番手には、前走の京都新聞杯(G2)でハナをきって敗れた(最下位)テイエムプリキュアがつけた。
1コーナーから2コーナーにかけて、後続をどんどん突き放していく2頭。8枠に入った1番人気のブエナビスタは後方でジックリと構えた。
3コーナーに差し掛かった時には、前2頭と後続馬群は30馬身ほどの差。4コーナーでテイエムプリキュアが前を行くクィーンスプマンテに並びかけ直線に入った。
一度は先頭に並びかけたテイエムプリキュアであったが、脚色が鈍り再びクィーンスプマンテが抜け出す。
最後は前をいく2頭にブエナビスタが猛然と追い込んだが、クィーンスプマンテの逃げ切り勝ち。「大逃げ」という奇策から勝利を呼び込んだ田中博康騎手は、これがG1初制覇となった。
11番人気クィーンスプマンテ、12番人気テイエムプリキュアの決着でレースは大荒れ。三連単154万5760円というエリザベス女王杯史上、最高配当を記録した。
1996年の古馬開放以降、二桁人気馬の優勝はレース史上初。単勝7710円は今を時めくアーモンドアイの母、フサイチパンドラの単勝2620円(2006年)を大きく上回る単勝配当ともなった。
ブエナビスタの上がりはメンバー中で最速の32.9秒。単勝オッズ1.6倍と圧倒的支持を集めながら、特殊なペースに翻弄され3着に敗れた。
今年のエリザベス女王杯で『netkeiba.com』の予想オッズ1番人気のラッキーライラック。この馬もブエナビスタと同じサンデーレーシングの馬である。
さらに、ラッキーライラックは当時のブエナビスタと同じ8枠。過去の記憶からは、不吉な“何か”を感じさせる。
逆にいえば、サムシングジャストにとっては吉兆。クィーンスプマンテと同じ勝負服をまとった松山弘平騎手を背に、素敵な“何か”が待っていることに期待したい。