JRA武豊アドマイヤビルゴ重賞制覇カウントダウン!? 有馬記念(G1)電撃参戦の前例も…… ワールドプレミアの動向にも注目
21日、阪神競馬場で行われるアンドロメダS(L)に、アドマイヤビルゴ(牡3、栗東・友道康夫厩舎)が出走を予定している。
アドマイヤ軍団で一世を風靡した故・近藤利一さんが、過去の確執を水に流して武豊騎手に託した忘れ形見とも言われる期待馬だ。同馬は2017年のセレクトセールで6億 2640万円(税込)という高額で落札されたことでも話題となった。
今年1月にデビューして、新馬戦、若葉S(L)を連勝して優先出走権は得たものの、ローテーション的にきつくなる皐月賞(G1)には向かわなかった。だが、次走の京都新聞杯(G2)を4着に敗れ、日本ダービー(G1)出走は叶わずに終わってしまった。
コロナ禍の影響でJRAから騎手の移動制限が伝えられ、主戦である武豊騎手から藤岡康太騎手に乗り替わりとなったことも、陣営にとっては少なからず誤算だっただろう。
一方で、アドマイヤビルゴ陣営は外野が考えているほどクラシックに執着していないという見方も可能だ。
9月に行われた前走のムーンライトハンデ(3勝クラス・芝2200m)を快勝した際、管理する友道調教師は「初めて多頭数の競馬を勝ってくれました。スタートして少し力んでいたので、そこが課題です。菊花賞へは向かわないです」と、レース後という比較的早いタイミングに菊花賞回避のコメントを出している。
秋初戦の手綱を取った武豊騎手も「完勝でした。馬体も数字以上に大きく見せていました。このまま良い方向に行って欲しいです」と振り返っていたことから、将来性を考えると無理をするべきではないといったニュアンスが含まれているようにも受け取れる。
アドマイヤビルゴの高い素質を評価しているからこそ、まずはアンドロメダSで現状どれくらい走るのかを確認したいという思いも陣営にはあるだろう。出走メンバーも重賞で揉まれてきた馬だ。これらを相手に強い勝ち方をするようなら今後の期待も大きく膨らむ。
ここで勝利を収めることが出来れば、いよいよ重賞制覇へカウントダウンとなってくるのだが、年内に行われる適当な重賞レースがない現実もある。
適鞍と見られる来月5日のチャレンジC(G3・芝2000m)だと中1週、翌週の中日新聞杯(G3・芝2000m)も12日の開催であり、こちらも中2週と間隔が詰まる。アドマイヤビルゴはデビューから4戦を430キロ台で出走している小柄な馬には強行軍となる可能性が高い。