JRAマイルCS(G1)筋骨隆々グランアレグリアに立ちはだかる「2つの壁」。スプリンターズS(G1)圧勝劇は“危険サイン”!?
22日には、阪神競馬場でマイルCS(G1)が開催される。G1馬8頭が集結した秋のマイル王決定戦の主役を担うのはグランアレグリア(牝4歳、美浦・藤沢和雄厩舎)で間違いないだろう。
17日現在、『netkeiba.com』の予想オッズでは1.5倍という断然人気に支持されているグランアレグリア。今年に入ってからのレースぶりを見ればその人気も頷ける。
前走のスプリンターズS(G1)では、モズスーパーフレアとビアンフェが作った激流を後方2番手でじっくり構え、直線だけで14頭をごぼう抜き。初の中山コース、短い直線もあっさりとクリアした。2走前の安田記念(G1)は、女王アーモンドアイ以下を完封。3走前の高松宮記念(G1)では2着(3位入線)ながら最も強い競馬で道悪馬場をしっかりこなした。マイル以下なら現役最強といっても異論はないだろう。
距離は1600mに戻り、前走より力を出せるという声は多い。しかしその前走の鮮やかな勝ち方が逆に不安を掻き立てられるという意見もある。
「前走は過去最高馬体重(504kg)を計測しましたが、太め感はなく筋骨隆々のまさにスプリント仕様の馬体でした。今は逆に1200mの方がいいと思わせるような馬体でしたね。
前走の勝ち方は本当に鮮やかでした。しかし、道中最後方にいたアウィルアウェイも3着に突っ込んだことを鑑みると、展開と外差し馬場の恩恵を受けたという考え方もできます。前走のインパクトある勝ち方が過剰人気につながっている感は否めません」(競馬記者)
今週に入って、管理する藤沢和調教師から興味深い発言もあった。詳細については元記事をご確認いただきたいのだが、『スポーツ報知』によると、藤沢和調教師が「来年は天皇賞・秋(G1)で3階級制覇を視野に入れている」という趣旨の発言があったという。
これは「マイルCSは勝って当たり前。2000mに延びても問題なし」という自信の表れだが、前出の記者はこの発言に危険な兆候を感じたという。
「1年も先のことをG1馬が8頭もそろう大舞台を前に話すというのは非常に珍しいと思います。前哨戦、もしくはレース後なら理解できますが……。油断、過信しているのではないかという疑念が生まれますね。こういう時は得てして足をすくわれることが多いです」(同)
実際にグランアレグリアはこれまで2度、一本被りの人気を背負って足をすくわれた経験がある。1度目が2年前の朝日杯FS(G1)、そして2度目が昨年のNHKマイルC(G1)だ。ともに単勝オッズ1.5倍の支持を受けたが、いずれもアドマイヤマーズらの後塵を拝した。
しかし、この問題はグランアレグリアではなく、厩舎にあるのかもしれない。