JRAジャパンC(G1)ワールドプレミア“参加賞狙い”にガックリ!? 武豊「息が苦しそう」コンディション上がらず見送りの可能性も
「ワールドプレミアもいるんで」
先日、大井競馬場で行われたトークショーで、武豊騎手はそう相棒をアピールした。M.デムーロ騎手に和田竜二騎手を加え、3強対決の話題で盛り上がるジャパンC(G1)で「忘れてもらっちゃ困る」と言わんばかりの発言だ。
29日に東京競馬場で行われる今年のジャパンC(G1)には、芝G1・8勝の金字塔を打ち建てたアーモンドアイを筆頭にコントレイル、デアリングタクトという無敗の三冠馬が集った夢のようなレース。しかし、ワールドプレミア(牡4歳、栗東・友道康夫厩舎)にとっても復活をアピールしたい重要な戦いになる。
昨年は菊花賞(G1)を制して世代の頂点に立つと、年末の有馬記念(G1)でも3着に善戦。ここまでキャリア7戦で、一度も馬券圏内(3着以内)から外れたことがない現役屈指の存在だ。
「乗るからには、大金星を挙げたいという気持ちはありますよ」
そう“悪者”になることを辞さない覚悟を示している武豊騎手。しかし、そんな主戦騎手の意気込みとは裏腹に、菊花賞馬のコンディションは決して万全とは言えないようだ。
「今回は久々のレースになりますが、良化がちょっとスローですね……。1週前追い切りでは坂路で4ハロン52.1秒、ラスト12.8秒。重い馬場を考慮すれば格好はついた時計ですが、武豊騎手も『息が苦しそう』と話していた通り、息の入りが今一つ。馬体が重いという感じはないので、“中身”がまだ伴っていない印象です」(競馬記者)
昨年末の有馬記念で2着した皐月賞馬サートゥルナーリアと並び、4歳世代の大将格として2020年を迎えたワールドプレミア。しかし、体調が整わないという理由で予定していた阪神大賞典(G2)と天皇賞・春(G1)を回避。そのまま春競馬を全休し、今回は約11カ月ぶりの復帰戦となる。
「同じディープインパクト産駒の全兄ワールドエースも日本ダービー(G1)後に屈腱炎になって、約2年近くの休養を強いられています。この春には弟のヴェルトライゼンデもダービー後に骨折していますし、この一族の調整が難しいことで知られています。
復帰が待望されるワールドプレミアですが、陣営も慎重にならざるを得ないのは確かでしょうね。来週の最終追い切りの動き次第ながら、あまり良くないようならジャパンCを回避する可能性もありそうです。いずれにせよ、復帰戦の今回は叩き台というか、“参加賞狙い”のような位置づけになるかもしれません」(別の記者)
昨年の有馬記念で3着に敗れた後も「この馬が日本でトップクラスの馬である、という気持ちは変わらない」とワールドプレミアを高く評価している武豊騎手。管理する友道康夫調教師も「広いコースは合っている。能力の高さに期待したい」と話しながらも、やはり今回は地力に頼る他ないのかもしれない。