JRAマイルCS(G1)アンカツ事件簿「記憶から消えた1番人気」!? “時が止まった”ゴール前「豪脚一閃」儚く散った「過去の夢」
22日、阪神競馬場で行われるマイルCS(G1)だが、自身の同レースについて元JRAジョッキー「アンカツ」こと安藤勝己氏が、自身のYouTubeチャンネル「アンカッちゃんねる」で振り返った。
安藤氏が「急にだったからね。ハッキリ覚えてます」と答えたのは、2000年のマイルCSで騎乗したダイタクリーヴァについてだ。
その日は、マイルCSでの乗鞍がなかった安藤氏。しかし、当日のレースでダイタクリーヴァに騎乗予定だった高橋亮騎手(現・調教師)が落馬負傷し、急遽、騎乗依頼が舞い込んできた。
ダイタクリーヴァの騎乗依頼が来ることを全く想定していなかった安藤氏は、「そうか、今日G1あったんだ」と、G1があることすら忘れていたという。
実はダイタクリーヴァへの騎乗は、マイルCSで2回目だった安藤氏。デビュー戦では、1番人気に推された同馬を自身の手綱で勝利へ導いているのだ。
この新馬戦について、勝ちっぷりについて問われると「新馬戦乗ったの?俺」と聞き返し、「あっ、本当」と、まるで他人事。なんとも安藤氏らしい、爆笑動画となっている。
「ただねえ、ゲート出たと思うんですよ」と、新馬戦の記憶を辿った安藤氏。ただ、さすがに乗り替わったマイルCSの記憶はシッカリと残っているようだ。
レースでは出遅れて後方からとなったダイタクリーヴァ。動画でも安藤氏が話しているように、道中では内目馬群の中を追走した。
3コーナーから4コーナーにかけて最内に入ったダイタクリーヴァ。最後の直線に入ると、京都の外回りらしく内が開いた。
その進路をめがけて追い出しを開始した当時の安藤騎手。残り100m手前辺りで先頭へと躍り出たダイタクリーヴァに「あっ、勝ったな」と思ったという。
安藤氏が「抜け出すときはグッドタイミングで抜けたと思った」と振り返ったように、ここしかないというタイミング。安藤氏だけではなく、あのレースを見ていた多くの人がダイタクリーヴァの勝利を確信したのではないだろうか。
しかし、残り10mぐらいだろうか……外を回ったアグネスデジタルが「豪脚一閃」。ゴール前、まさに他馬の“時が止まった”かのような末脚で、アッという間にダイタクリーヴァを交わしさった。
安藤氏は当時を振り返り、動画内で「中央でG1を勝つのが夢だったので、あれでガクッときたのを覚えてます」と語った。
儚く散った過去の夢。その記憶を笑って懐かしむ安藤氏であった。