JRAジェラルディーナ「13冠ベビー」面目躍如の初勝利!! ダービー馬全妹2頭&菊花賞馬半妹の超良血馬対決は後々「伝説の未勝利戦」へ昇華される?

「伝説の1戦」として語り継がれることになるかもしれない。

 23日(月・祝)、阪神2歳未勝利戦(芝1800m)で、G1通算7勝をあげた名牝ジェンティルドンナの3番仔ジェラルディーナ(牝2、栗東・石坂正厩舎)が、3戦目にして待望の初勝利をあげた。

 父にモーリスを持ち、父母合わせてG1を13勝という良血馬ゆえに、早くから期待を懸けられていたジェラルディーナ。だが母の背を知る岩田康誠騎手を背にデビューを飾るも、初戦は後方から競馬を展開して3着。続く2戦目は一転して先行策を取り、最後の直線では一時先頭に立つも、スパークルに交わされて2着に終わっていた。

 そして鞍上が北村友一騎手にスイッチして迎えた3戦目。中団後方で運ばれたジェラルディーナは、4角から進出を開始。最後の直線では外から上がり最速の脚を使い、先に抜け出していたトウシンモンブランをハナ差交わして勝利を飾った。

 騎乗した北村友騎手は「直線では向かい風が強かったけど、よく差し切ってくれました」と相棒をねぎらうと、管理する石坂正師も開口一番「ホッとしました」と、“3度目の正直”が期待された1戦を勝ったことで、安どの表情を浮かべていた。

「13冠ベビー」ジェラルディーナが見事に勝利を収めた未勝利戦。実はここには同馬以外にも近親にG1馬がいる良血馬揃いだったようだ。

 1番人気に支持されながらも6着に敗れたミスフィガロは、2018年の日本ダービー(G1)を勝利したワグネリアンの全妹。またその翌年のダービー馬ロジャーバローズの全妹ブラックジュエリーも出走しており、10着と涙を飲んだ。さらに2014年の菊花賞(G1)を勝利したトーホウジャッカルの半妹トーホウロゼリア(12着)も出走している。

「過去を振り返っても無敗のままでキャリアを終えた競走馬はほぼいません。ここに集まったのは3戦目だったジェラルディーナなど、まだまだキャリアが浅い若駒と呼ばれる競走馬たちです。ここから成長を遂げて来年にはその能力を開花することもあるでしょう。

新馬戦を終えて数年後、そのレースから多数の重賞勝ち馬が輩出されていたことが判明すると、『伝説の新馬戦』と称されることがあります。今後が楽しみな良血馬が揃っていたこの1戦も、将来的には『伝説の未勝利戦』と呼ばれる可能性も捨てきれませんよ」(競馬誌ライター)

 かつて2005年に未勝利戦で、後に朝日フューチュリティS(G1)を勝つフサイチリシャール、翌年のクラシック3冠で馬券圏内を外さない走りを見せたドリームパスポートが直接対決。さらに08年12月でも、後にジャパンダートダービー(G1)2着などダートで活躍するシルクメビウス、NHKマイルC(G1)を勝利したジョーカプチーノが3着以下に2秒以上の差をつける圧巻の走りを見せるなど、後に伝説級と呼ばれる未勝利戦も多くある。

 この日の一戦も後々に語り継がれることになるよう、勝ち馬ジェラルディーナはもちろん、敗れたライバルたちもこの敗戦をバネに飛躍を果たしてもらいたいものだ。

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