JRAの「郷に入っては郷に従え」が招いた悪夢の5分間……M.デムーロ「すごく嫌がりました」大出遅れウェイトゥパリス10着。ジャパンC消滅危機「外国馬ゼロ」から1年、再び浮き彫りとなったゲート問題
「馬は落ち着いていたのですが、ゲート入りになると、すごく嫌がりました。それで一気にテンションが上がりました」
レース後のM.デムーロ騎手の言葉が、陣営の無念さを集約していた。各馬のゲート入りに先んじて先入れを行ったウェイトゥパリスだが、ゲートの前で立ち往生……係員があの手この手を尽くしたものの何度も嫌がり、結局半ば無理やりゲートに詰め込まれたのは5分も後のことだった。
その後のレースでは案の定、大きな出遅れとなってしまったウェイトゥパリス。最後の直線では最後方から追い上げたものの10着と、不完全燃焼で引退レースを終えてしまった。
「予め目隠しをされていたことや、先入れとなったことからも陣営がウェイトゥパリスのゲートに懸念を持っていたことは間違いないと思います。
ただ、この日のレース中継を行った『みんなのKEIBA』(フジテレビ系)の中でも『ヨーロッパでは、こういうゲート入りの仕方はしません』と話していた通り、ウェイトゥパリスは日本独特のゲート入りに相当苦戦していました。
ジャパンCに参戦する外国馬は事前にゲート試験を行っていますが、あくまで滞在が許された千葉県白井の競馬学校内での話。東京競馬場とは、大きく環境が違いますからね。レースでは、最後いい脚で追い上げていただけに、スムーズにレースを迎えさせてあげられなかったことは残念です」(競馬記者)
ジャパンCにおける外国馬の「ゲート問題」は昨年、史上初の外国馬ゼロという事態を招いたことでも記憶に新しい。