JRAジャパンC(G1)の裏で「詰んだ」未来!? 「立つんだジョー!」京阪杯(G3)惨敗の先に見えた一条の光明
一方、阪神競馬場ではジャパンC終了の約30分後、京阪杯(G3)がスタート。来年の高松宮記念(G1)を見据えた芝の1200m戦が行われた。
レースは16頭立て。歴史的一戦の後ということもあり、独特の雰囲気の中ゲートは切られた。
まず先頭に立ったのは、6番人気のジョーカナチャン(牝5歳、栗東・松下武士厩舎)。近走では現役屈指のスピードを誇るモズスーパーフレア以外にハナを譲ったことがない快速馬だ。
2番手に1番人気のカレンモエが続き、外からラブカンプーも競りかける展開。スプリント戦らしく、先行争いの激しいレースとなった。
先頭で4コーナーを回ったジョーカナチャンであったが、カレンモエが残り300m辺りでこれを交わして先頭。そこに後方のインで脚を溜めていた人気薄のジョーアラビカ、中団で構えた3番人気のフィアーノロマーノが加わり、ゴール前は接戦であった。
最後は外から伸びたフィアーノロマーノが、混戦を断ち切って優勝。カレンモエが2着に粘り、3着にはジョーはジョーでも12番人気のジョーアラビカが入線した。
逃げたジョーカナチャンは直線で失速して12着に惨敗。騎乗した菱田裕二騎手は「すぐに後ろから来られて、今日は展開として厳しかったです」とレース後にコメントした。
夏場はアイビスサマーダッシュ(G3)で初重賞制覇を成し遂げたジョーカナチャン。一時はスプリント戦線でも期待されたが、この一戦では人気薄の「ジョー」アラビカ好走のお膳立てをする形となってしまった。
ジョーカナチャンは前走の北九州記念(G3)でも、モズスーパーフレアのスピードに圧倒され直線失速を余儀なくされた。
「今回の一件も踏まえれば、芝のスプリントG1奪取は現実的に厳しい状況でしょう。同世代のモズスーパーフレアは、恐らく引退まで付きまとう「目の上のたん瘤」。同舞台で戦うには、今後も高い壁として立ち塞がるでしょう」(競馬記者)
ただ、今回の惨敗によって「新たな可能性」も出てきたのではないかと記者は続ける。
「直近の2走は先行争いに巻き込まれて失速しているジョーカナチャンですが、実績的にも再度ダートへ転戦する可能性は残されているのではないでしょうか。11月3日、モズスーパーフレアがJBCスプリント(G1)でダート初参戦。結果は4着と敗れはしましたが、ダートでも存分にスピードを見せつけました。
ジョーカナチャンは、未勝利戦、1勝クラスとダートで勝ち上がっていますし、ダート戦では2戦2勝と未だ負けなしです。新潟開催までは直線1000m戦もありませんから、今回の惨敗を期にダート戦という可能性はあると思いますよ」(同)
確かに、1勝クラスのダートで勝利した後は、芝の直線1000mを連勝。その後も芝短距離を使われ、ダートは一度も走っていない。
ジャパンC(G1)の裏で惨敗した、ジョーカナチャンに射し込む一条の光明。ダート戦であれば、夏の輝きを取り戻す可能性が残されていそうだ。