JRA阪神ジュベナイルF(G1)で白毛一族対決実現! 突然変異「始祖」シラユキヒメから「代重ね」で能力が開花!! 金子真人オーナーの執念が大舞台で実る?
12月13日(日)、阪神競馬場で行われる2歳マイルG1・阪神ジュベナイルFの登録馬が発表された。今年もフルゲート18頭に対して、20頭がエントリーするなど、素質あふれる若駒が集結したが、中でも注目を集めるのはソダシ(牝2、栗東・須貝尚介厩舎)とメイケイエール(牝2、栗東・武英智厩舎)の“白毛シラユキヒメ一族”の直接対決だ。
ソダシは白毛の馬体にブチ模様で人気を集めたブチコの初仔(父クロフネ)。戦前は祖母シラユキヒメ同様、その真っ白な馬体で話題となったが、デビュー後は走りでもファンを魅了することになる。
吉田隼人騎手とコンビを結成して迎えた函館の新馬戦(芝1800m)を勝利すると、続く札幌2歳S(G3)では、従来の2歳レコードを0秒1更新し、白毛馬で初となる芝重賞制覇という偉業を成し遂げた。
前走のアルテミスS(G3)でも果敢に先行すると、直線に入って抜け出し、2着のククナに1馬身3/4差を付けて重賞2連勝。鞍上の吉田隼騎手は「初めて跨らせてもらった時から完成度が高い」と語り、さらに「そういう馬を任されているので、結果を出せて良かったです。このまま負けずに行って欲しいです」と先を見据えていた。
一方のメイケイエールは、曾祖母にシラユキヒメ、祖母は関東オークス(G2)を勝利するなど一族の出世頭だったユキチャン、母にシロインジャーを持つ(父ミッキーアイル)。3代続けて白毛だったものの、自身にはその白の遺伝子は継承されず、鹿毛として誕生した。
小倉の新馬戦(芝1200m)で福永祐一騎手が騎乗し、2着に5馬身差を付けるセンセーショナルなデビューを飾ると、2戦目の小倉2歳S(G3)では、重馬場を苦にすることなく武豊騎手を背に重賞初制覇を達成した。
そして距離を1ハロン延長して臨んだ前走のファンタジーS(G3)では、好位から直線で早めに抜け出すと、後続の追撃をしのいで優勝。武豊騎手は前半に力んだため、「普通ならダメになるパターンでしたが能力がありますね」と素質を認めている。
「この2頭の母系に名を連ねている“シラユキヒメ”は、現役引退後に繁殖入りを果たし、重賞勝ち馬のユキチャンなどを輩出しています。同馬以外の産駒は鳴かず飛ばずだったものの、繁殖が続けられたため、その血脈は途絶えることなく、ついに孫、ひ孫世代で能力が花開くことになりました。代重ねで進化を果たすのは相当珍しいパターンだと思います。
それもすべてはシラユキヒメのオーナーの金子真人氏の執念の賜物でしょう。金子氏はデビューしたシラユキヒメの産駒をすべて所有するなど、強い思い入れを持っていたようです。今の白毛一族の繁栄は、金子氏の情熱があったからこそですよ。
さすがにシラユキヒメの子孫すべてをフォローするわけにもいかず、メイケイエールなどを手放すことになりましたが、さすがの相馬眼でソダシはしっかりとキープ。自分が培ったと言っても過言ではない、白毛一族の結晶でG1初制覇を達成したいでしょうね」(競馬誌ライター)
金子オーナーの秘蔵っ子は白毛一族対決を制して、一族の恩人にG1勝利をプレゼントすることができるだろうか?