JRA有馬記念(G1)津村明秀カレンブーケドール「降板」に予兆があった!? 「G1を勝ちたい」想い届かず……。“首の皮一枚”チャンス逃し、無念の乗り替わり
12月に入り、今年の古馬混合芝G1は残すところ有馬記念(G1)のみとなった。
3頭の3冠馬によるドリームマッチで沸いたジャパンC(G1)の影響で、出走馬の層が薄くなるのではないかと危惧された有馬記念だが、続々と有力馬が出走を表明している。宝塚記念(G1)の勝ち馬クロノジェネシス、天皇賞・春(G1)を連覇したフィエールマン、今年G1・2勝で引退レースとなるラッキーライラックをはじめとした豪華メンバーが暮れの大一番に華を添える。
出走メンバー同様に、注目を集めているのは鞍上問題だろう。
最も熱い視線が注がれたのが、秋G1だけで5勝を挙げるC.ルメールの動向だ。前走で騎乗しているラッキーライラック、オーソリティに加えて、お手馬のフィエールマンが出走を表明しており、“必勝請負人”はどの馬に乗るのかファンの間で憶測が飛び交った。最終的にはフィエールマンの騎乗が決定し、問題解決となった。
その一方で、コンビ継続に思われた馬の乗り替わりも発生。4日、ジャパンCで4着のカレンブーケドール(牝4歳、美浦・国枝栄厩舎)は池添謙一騎手との新コンビで有馬記念に参戦することが決定した。
重賞で2着6回の実績をもつカレンブーケドールは、シルバーコレクターとして大舞台には欠かせない存在となっている。その反面、昨年4月のスイートピーS(L)以来、1年半以上勝ち星から遠ざかっているのは深刻な事態と言えるだろう。
そこで白羽の矢が立ったのが、有馬記念で4勝の実績を持つ池添騎手だった。
カレンの冠名で知られる鈴木隆司オーナーの所有馬では、カレンチャンで重賞5勝(うちG1・2勝)、カレンミロティックで重賞1勝、13番人気で出走した天皇賞・春ではキタサンブラックをハナ差まで追い詰めた。勝負強さが光る騎乗が持ち味の同騎手が、勝ちきれないカレンブーケドールにいい刺激を与えることが期待されている。
これに伴い、無念の降板となったのが津村明秀騎手だ。
「前走のジャパンCは3強に続く4着に好走し、津村騎手の騎乗は責めるべきものではなかったように感じます。それだけに今回の乗り替わりは驚きました。
池添騎手はサートゥルナーリアのオファー待ちでしたが、同馬が出走回避となったのが大きかったですね。
ただ、津村騎手は今年のオールカマー(G2)が取りこぼしとも言われるレースでしたし、やはり勝てないというのが致命傷だったようですね。勝負の世界なので仕方ない部分もありますが……。春にも降板の危機があっただけに、乗り替わりはやむを得ないかもしれません」(競馬記者)
実は過去に一度、津村騎手はカレンブーケドール降板の危機に直面している。