【阪神JF(G1)展望】武豊メイケイエールVS吉田隼人ソダシ! ジェンティルドンナの3番仔は「抽選突破」で出走叶うか
13日には、阪神競馬場で2歳女王決定戦・阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)が開催される。
阪神外回りの1600mという舞台は、桜花賞(G1)と同じ。昨年はレシステンシアがレコードで逃げ切り勝ちを収め、桜花賞でも2着に入った。来年のクラシックを占う意味でも、注目の一戦だ。
昨年の阪神JFを振り返ると、結果的に6着に敗れたが、リアアメリアの1強ムードだった。今年は一転、“白毛一族”の2頭が人気を分け合いそうだ。
おそらく1番人気はソダシ(牝2歳、栗東・須貝尚介厩舎)の方だろう。7月の函館1800mでデビューすると、2番手追走から上がり最速の末脚で快勝。札幌2歳S(G3)では、前半35秒0のハイペースを先行し、4角で先頭に立つと、そのまま押し切った。
続くアルテミスS(G3)では1番人気に支持されたが、初輸送に加え、初の左回り、初の距離短縮など、初物尽くしで不安要素も少なくなかった。それでも、道中2番手から東京の長い直線でしぶとく伸びて3連勝を飾った。
「デビュー戦から鞍上を務める吉田隼人騎手は、レースごとに成長を感じているようです。しかし、ソダシはまだ2歳。課題もまだまだあるようで、前走後には、レースを経るごとにテンションが高くなっていることを危惧するコメントを残していました」(競馬記者)
そして、吉田騎手が挙げた課題の一つがゲートだ。前走後には「ゲートで苦しがるところも出ている」と話していたが、これは母の影響があるかもしれない。
白毛馬初の芝G1制覇を狙うソダシ。その母・ブチコはJRAのダートで4勝した白毛馬。独特のブチ模様で人気を博した。ただ、ゲートを嫌がったり、暴れたりすることも多く、ゲートに突進して白毛が赤く染まるほど出血し、競走除外になったこともあった。
娘のソダシは今のところ“優等生”だが、母からゲート難の血を受け継いでいないことを祈るのみだ。
そのソダシの祖母が白毛一族の祖シラユキヒメである。その曾孫にあたるのがメイケイエール(牝2歳、栗東・武英智厩舎)だ。こちらはシラユキヒメ~ユキチャン~シロインジャーと白毛一族の流れを汲むが、本馬は鹿毛に出た。
白毛一族の2頭がともにデビュー3連勝で激突するが、これまでの臨戦過程は全く異なる。スピードに秀でたメイケイエールは、1200mの新馬戦と小倉2歳S(G3)を勝利。前走のファンタジーS(G3)で、1400mをこなしたが、さらに1ハロン距離を延ばしての参戦となる。
過去2戦は道中で折り合いを欠く素振りを見せており、距離延長は大きな不安要素といえるだろう。前走後、騎乗した武豊騎手は「普通ならダメになるパターンでしたが能力がありますね。前半あれだけロスがあっても最後までもつのは凄い」とコメント。能力の高さは認めるが、初のマイル戦で再び折り合いを欠くシーンを見せれば、馬群に沈む可能性も頭に入れておきたい。
1800mでデビューしたソダシと、1200mデビューのメイケイエールと本来の距離適性は全く違う2頭。ガチンコ対決第1ラウンドはどちらに軍配が上がるだろうか。