JRA武豊「復活の兆し見せてくれた」10番人気インティ低評価に大反発! チャンピオンズC(G1)クリソベリルに先着……番狂わせ起こしたレジェンドの神騎乗
6日、ダートの頂上決戦・チャンピオンズC(G1)が中京競馬場で行われ、戸崎圭太騎手の4番人気チュウワウィザードが優勝。2着に入った3番人気ゴールドドリームに2馬身半の差をつける完勝で昨年4着の雪辱を果たした。
3着には10番人気インティが入り、単勝1.4倍の圧倒的1番人気の支持を受けたクリソベリルは4着に敗れた。
断然人気馬が伸び切れずに4着と敗れた中で、健闘が光ったのは武豊騎手の手綱に戻ったインティ(牡6、栗東・野中賢二厩舎)だ。2年連続チャンピオンズCで3着に敗れたものの、3番人気だった昨年に対し、今年は10番人気と大きく評価を落としていた。
G1馬の意地を見せた復活劇だったといえる。インティはそれほどいいスタートではなかったが、武豊騎手は周りの様子を窺いながら徐々にポジションを上げていく。ハナに立ったエアアルマスの2番手につけると、そこからは速過ぎず遅過ぎずの絶妙なペースコントロール。直線半ばでエアアルマスを競り落とし、あわや復活勝利かという奮闘を演じた。
インティの武器であるスピードを殺すことなく、かといってスローの瞬発力にならないペースで好走に導いた武豊騎手。その絶妙なラップ感覚は評価されていいだろう。
レース後、武豊騎手は「スタートのタイミングが合わず、番手からになった。道中はいい感じだったが、3、4コーナーでかかった。そこがスムーズだったら良かったんだけど、復活の兆しは見せたと思う」とパートナーの健闘を称えつつ、復調への手応えを感じさせるコメントで振り返った。
インティは昨年、未勝利戦から7連勝でフェブラリーS(G1)を優勝したものの、かしわ記念(G1)を2着と敗れて以降は精彩を欠く一方だった。折り合いに難しさを見せ始め、二桁着順の大敗も経験した。
前走の南部杯(G1)では戸崎騎手とのコンビで、前残りの展開を逃げながら9着に惨敗。再び主戦である武豊騎手が手綱を取ったとはいえ、軽視されたのは仕方がなかったのかもしれない。
「前進気勢の強い気性から折り合いがポイントとなる馬です。この馬を手の内に入れている武豊騎手だからこその好騎乗だったといえますね。積極的に出して行き、淀みのないラップで走れたことも今回の好走に繋がったのでしょう。次も武豊騎手とのコンビ継続なら大きな期待が持てそうです」(競馬記者)
距離についてはもうひと踏ん張りが利かなかったことを考えると、現状は1800mよりも1600mの方がよそうな雰囲気もある。
目標となるのは2年ぶりの優勝を目指すことになる来年のフェブラリーSだろうか。