JRA中内田厩舎が重賞で買えるのは4歳夏まで!? 中日新聞杯(G3)ヴェロックスに絶望的な傾向
今週行われる中日新聞杯(G3)にヴェロックスが出走する。皐月賞2着・日本ダービー3着・菊花賞2着の実績を持ちながら、いまだに重賞は未勝利。陣営もなかなか歯がゆい思いをしているだろう。
中日新聞杯はローカルのハンデ重賞ということもあり、強敵と戦ってきたヴェロックスにとっては手薄なメンバー構成に思える。しかし中内田厩舎で春を超えた4歳牡馬は、JRAの芝重賞では未勝利という絶望的なデータがある。
つまりその条件に合致するヴェロックスが、この中日新聞杯を勝利するのはかなり厳しい状況といえるのだ。
中内田厩舎は今年31勝と調教師リーディングで全国17位。ただ昨年と比較すると物足りない成績と言わざるを得ない。2019年は過去最多のJRA年間48勝、8つの重賞レースを勝利した。しかし今年は12月6日時点で31勝、JRAの重賞は1勝のみ。勝率は昨年の22.5%→15.3%と大幅にダウンしている。いったい何が原因なのだろうか。
実際に今年のJRA31勝を見てみると、若い世代に偏っていることがわかる。
■中内田厩舎の2020年JRA勝利馬年齢
・2歳 7勝
・3歳 19勝
・4歳 3勝
・5歳 1勝
・6歳 1勝(別に地方で1勝あり)
5歳以上で2勝しているが、5歳馬は3月の条件戦が最後。そして6歳の1勝はダートの特別戦だ。そもそも中内田厩舎は60頭の登録馬がいる中で、4歳馬は9頭、5歳馬は6頭、6歳馬は1頭しかいない。2~3歳馬が44頭、5~6歳馬が16頭で全体の26.6%というバランスだ。
参考までに今年33勝をあげているソダシの須貝尚介厩舎を見てみると、管理馬58頭のうち4~7歳馬が20頭で34.4%。中内田厩舎と同じ31勝の佐々木晶三厩舎は管理馬44頭で4~7歳馬が18頭で40.9%。やはり管理頭数と成績のバランスから古馬が少ないことがわかる。
そして、オーナーサイドの意向も絡んでいると思われるが、中内田厩舎は頭打ちと感じた4歳以上の馬を、積極的に他の厩舎へ転厩させる傾向にある。実際に管理している4歳以上の馬は、白毛のブッチーニを除きすべて2勝以上。他に4歳以上で1勝のみの馬は一頭もいないので、早期に結果を出さなければ中内田厩舎では生き残れないのだ。
そして、中内田厩舎の管理馬は4歳の夏を超えるとバタッと活躍が止まる傾向があるようだ。というのも重賞レースでの成績を見てみると、これまで4歳9月以降に芝の重賞レースを勝利した馬が一頭もいない。中内田厩舎は開業から9年間でJRAの芝重賞を17勝しているが、そのすべてが4歳7月までのもの。
■中内田厩舎の芝重賞優勝馬年齢
・2歳 8勝
・3歳 4勝
・4歳 5勝(すべて7月まで)