JRA「遺恨勃発」玉砕覚悟の執拗マークは嫌がらせ!? 横山典弘VS柴田大知の仁義なき戦い…… 因縁の二人が迎える第3ラウンド
19日、中山競馬場では年内最後の牝馬限定重賞であるターコイズS(G3)が行われる。
2015年から新設重賞として創設されたマイル戦に今年も楽しみなメンバーが集まった。
フルゲート16頭のレースに23頭が登録。今年の牝馬クラシックを賑わせた馬や中山巧者が顔を揃え、予想をする上でも超難解なレースとなりそうだ。
ただでさえ混戦模様のところにファンの頭を悩ませる原因となりそうなのは、横山典弘騎手、柴田大知騎手がそれぞれ騎乗を予定しているトロワゼトワル(牝5、栗東・安田隆行厩舎)とスマイルカナ(牝3、美浦・高橋祥泰厩舎)の存在である。
両者が初めて顔を合わせたのは9月の京成杯AH(G3)。このときは逃げたスマイルカナを直線2番手から捉えたトロワゼトワルがハナ差で勝利した。いずれも快速を武器とする馬で、これまで好結果を残して来たのは逃げたレースだった。
だが、自分のレースが出来れば強い競馬を見せる一方で、リズムを狂わされると脆さを見せるのも逃げ馬の宿命といえるだろう。それだけに、同型のライバルが出走することは一歩間違えれば共倒れとなる恐れもある。
京成杯AHではワンツーフィニッシュを決めた2頭だが、今回のターコイズSではそうとはならない可能性が非常に高いかもしれない。
なぜなら横山典騎手と柴田大騎手との間に”ちょっとした遺恨”が発生しているからである。
伏線となりそうなのは10月に行われた富士S(G2)だ。このレースでスマイルカナに騎乗した柴田大騎手はいつもの逃げに持ち込むべく先手を主張。しかし、スタートが特別速い訳でもなかった横山典騎手のシーズンズギフトが押して押して競りかけた。
道中で終始競りかけられることとなったスマイルカナが、ハイペースにリズムが狂わされたのは察しが付く。これが致命傷となったのか、10着と大敗を喫してしまった。
「執拗に絡まれる格好となった柴田大騎手がレース後、憮然とした表情で引き揚げて来たのも分かる話です。それも相手はデビュー間もない新人でもなく関東の大ベテラン。ペース判断には定評のある騎手だけに、何かしらの意図があっての玉砕だったのかもしれませんが、不可解な競りかけにも映りました。
しかもシーズンズギフトはそれまで逃げたことのなかった馬でした。横山典騎手はエリザベス女王杯(G1)でもノームコアで逃げて奇襲を仕掛けて大敗しましたが、勝つための手段として逃げたとコメントしていました。結果的には惨敗しましたが、何をやって来るかわからないという怖さも持ち味ですからね」(競馬記者)
再びスマイルカナとトロワゼトワルが顔を合わせることになる今回、馬の直接対決は2度目ではあるが、騎手も含めるとこれが”因縁の第3ラウンド”といえるだろう。
スマイルカナは逃げてこそ持ち味を出せる馬だけに、柴田大騎手としては横山典騎手が手綱を取るトロワゼトワルの存在は殊更不気味に思えるはずだ。