JRAが陥っている大問題を「ダビスタ」で実感するファン続々!? 開発者「配合理論の組み立てが……」ゲーム史上最高難易度になった理由
前人未到の大記録となるG1・9勝に到達したアーモンドアイを筆頭に、無敗三冠を達成したコントレイル、デアリングタクト、現役最強の呼び声も高い女王グランアレグリアなど、今年も数多くの名馬が誕生した競馬界。
しかし、そんな華やかな一面がある傍ら、それらスターホースを生み出す「生産界」は長年、深刻な問題に悩まされている。
いわゆる「血統の袋小路」である。
近代の日本競馬は米国からやってきたサンデーサイレンスが、世界でも類を見ない革命をもたらした。生産者として「少しでも走る可能性が高い種牡馬」を選択するのは当然であり、その結果、昨年他界したディープインパクトを始め、数多くのサンデーサイレンス系種牡馬が誕生。
今年のリーディング上位種牡馬を見渡しても、トップ10に6頭もサンデーサイレンスの子孫がランクインしているなど、現在の日本競馬はサンデーサイレンス系に支配されていると述べても決して過言ではないだろう。
ただ、「血統の袋小路」と言われる血の偏りは、あくまで毎年の配合を行う生産者の問題であり、競馬場でレースを楽しんでいるファンが関心を持つ機会はそう多くない。
しかし今月、大人気競馬ゲーム『ダビスタ』ことダービースタリオン(Nintendo Switch版)が約6年ぶりに発売されたことを機に、競馬ファンからも今の日本競馬が陥っている「血統の袋小路」問題を危惧する声が改めて上がっているようだ。
「血統面では、以前よりも配合理論の組み立てが難しくなったと思います。これは生産界も同じ悩みを抱えているかもしれませんが、サンデー系の種牡馬が増えたのが一番の要因でしょうね」
そう語るのは、ダビスタの開発を行った株式会社ランド・ホーの中村篤彦氏だ。『netkeiba.com』の『馬ラエティBOX』に登場した同氏も、現在の日本が陥っている「血統の袋小路」を深く実感した1人なのだろう。
ネット上では「ダビスタってこんなに難しかったっけ?」「ダビスタ史上最高難易度」などの声もチラホラ……無論、ダビスタには何の罪もないが、リアルの日本競馬が陥っている問題がゲーム難易度を上げ、ユーザーを悩ませているのは、なんとも興味深い話だ。