JRA福永祐一が逃した「ビクトリーロード」を攻略した横山典弘に絶賛の嵐! 朝日杯FS(G1)2着ステラヴェローチェに安藤勝己氏も高評価
20日、阪神競馬場で行われた朝日杯フューチュリティS(G1)は、川田将雅騎手の7番人気グレナディアガーズがレコードで快勝。1番人気に推された福永祐一騎手のレッドベルオーブは3着に敗れた。
レース後、福永騎手は「馬は落ち着いていて雰囲気は良かった」と相棒を称えながらも、「3コーナーで勝ち馬の後ろが開いていて、そこを取ることもできたが、最後までそこの選択ミスが響きました」と、内を回った勝ち馬に対して、外を回ってしまった進路取りのミスを敗因に挙げている。
最後は勝ち馬を上回る末脚で追い上げていただけに、勝負所での進路選択が大きく影響した結果となった。
その一方、福永騎手が惜しんだ「ビクトリーロード」を見事通り抜けた騎手がいる。勝ち馬に3/4馬身差まで迫ったステラヴェローチェ(牡2歳、栗東・須貝尚介厩舎)の横山典弘騎手だ。
「ゲートの中でテンションが危ないところもあったけど、良く頑張ってくれた」
前走のサウジアラビアRC(G3)で出遅れて後方からの競馬になったように、ゲートが課題のステラヴェローチェだったが、この日はまずまずのスタート。1番人気のレッドベルオーブを見るような形で、中団やや後方からの競馬となった。
レースが動いたのは3コーナーから。ハナを切って軽快に飛ばすモントライゼを目掛けて各馬がペースを上げ始める中、ステラヴェローチェと横山典騎手はインでじっと我慢していた。
その一呼吸が、最後の直線で末脚を爆発させた。ステラヴェローチェは馬群を縫うようにスルスルとポジションを上げていく。最後は勝ったグレナディアガーズが通った進路をなぞるように3/4馬身差の接戦に持ち込んだ。
「レース後、須貝尚介調教師も『ゲートでイライラしたりと、まだお勉強しないといけない部分がある』と振り返っていた通り、スタートが課題のステラヴェローチェですが、今回は横山典騎手が上手に出していましたね。
最後の直線では、密集した馬群を縫っていくような進路取り。馬に脚が残っていたからこその芸当ですが、それを余さず活かしたのは、さすが横山典騎手といったところでしょう」(競馬記者)
この結果にはネット上の競馬ファンも掲示板やSNSを通じて「ステラヴェローチェがワープした!」「ゴール前でいきなり現れてびっくり」「さすが典さん」と、横山典騎手の騎乗を称賛する声が続々……。
応援したファンにとっては2番人気馬の2着という結果だったが、それ以上の満足感を与えたようだ。
「重賞初勝利のサウジアラビアRCが不良馬場だったように、重馬場で結果を残しているバゴ産駒にとって、今回の高速馬場は1つの課題だったと思います。
それだけに負けはしましたが、結果を残せたのは大きいですね。元JRA騎手の安藤勝己さんも(自身のTwitterで)『ステラヴェローチェは時計勝負に対応してきた。距離延長も望むところで、ここからは伸びしろしかない』と評価されていましたよ。来年が楽しみな存在になりました」(別の記者)
バゴ産駒の大物と言えば、来週の有馬記念(G1)でファン投票1位に選ばれたクロノジェネシスが真っ先に挙がる。この馬も稍重の秋華賞(G1)と宝塚記念(G1)を勝ち、高速馬場への対応が不安視されていたが、今秋の天皇賞・秋(G1)ではアーモンドアイに0.1秒差に食い下がって評価を一変させた。
「賞金を加算できたのは大きい」
レース後、来年のクラシックを見据えた須貝調教師。重馬場も高速馬場もこなせる「超」バゴ産駒として、クロノジェネシスのような活躍が期待される。