福永祐一「2鞍入魂」に勝算あり!? ラッキーライラック有馬記念“試走”に最高のパートナーで引退の花道を飾れるか
1鞍入魂ならぬ2鞍入魂か。
24日、有馬記念(G1)の枠順抽選会が行われ、出走各馬の枠順が確定した。
G1・4勝を挙げ、今回が引退レースとなるラッキーライラック(牝5歳、栗東・松永幹夫厩舎)は4枠7番を引き当てた。
この枠番に福永祐一騎手は「もう少し、内が当たるに越したことはないけど」と言いつつも、「中川(大志)さんがラッキーライラックを引いた時にいいイメージしかなかった」と語った。
抽選会でラッキーライラックの名前が書かれたカプセルを引き当てた中川大志さんはJRAの年間プロモーションキャラクターを務めており、G1レースのプレゼンテーターとして競馬場に来場している。その中でも、19年の高松宮記念(G1)、安田記念(G1)は福永騎手が騎乗したミスターメロディ、インディチャンプがそれぞれ勝っていることから、縁起がいいと考えたようだ。
不利と言われる外枠を回避し、福永騎手にとって“勝利の女神”がラッキーライラックの追い風となるかもしれない。
しかし、福永騎手には12月から始まった中山開催に一度も騎乗していないという不安がある。中山の芝傾向を把握できていないのは不利に働くだろう。さらに有馬記念の前日は、阪神C(G2)でインディチャンプに騎乗を予定しており、レース当日だけで芝傾向を見極めなければならない。
その当日は本番の有馬記念までに、わずか1鞍の騎乗予定。かなり不利な状況に思われるが、その1鞍に重要な意味がありそうだ。
騎乗するのは中山8RのグッドラックH(2勝クラス)。中山芝2500mで行われるため、有馬記念の“試走”としては最適な舞台である。さらに福永騎手の騎乗馬はラッキーライラックの半弟ライル。まさに本番のシミュレーションには最適な条件と言えるだろう。
「栗東所属の福永騎手が関東で乗鞍が少ないのはやむを得ないですね。ただ、グッドラックHにライルで出走できるのは、幸運でしたね。ラッキーライラックとは初コンビ、12月の中山で騎乗していないという条件でしたが、弟と同じコースを走れるということは本番につながるはずです。
ラッキーライラック陣営は控える競馬を示唆していますが、どのぐらいの位置取りを想定しているのかは気になるところです。ライルの走りを見れば、有馬記念の参考になるかもしれませんね」(競馬記者)
競馬には「1鞍入魂」という格言があるが、今回の福永騎手は“2鞍入魂”となる。グッドラックHも、福永騎手にとって重要なレースとなるだろう。
有馬記念の前に、グッドラックHのライルにも注目しておいたほうが良さそうだ。