JRA有馬記念(G1)除外の悔しさを胸に……ディープボンドVSバイオスパークは重賞2連勝なるか【中山金杯(G3)展望】
2021年の関東競馬は、1月5日に中山競馬場で行われる中山金杯(G3)で幕を開ける。「一年の計は金杯にあり」という競馬界の格言通り、このレースで好結果を残したいのは、どの競馬関係者もファンも一緒だろう。
混戦模様だった昨年は「2→6→11」人気が馬券圏内に入り、中波乱となった。今年もハンデ戦らしく、実力拮抗で荒れる可能性を秘めている。それでは中山金杯を展望していこう。
まず取り上げたいのが、今年の牡馬クラシックを皆勤したディープボンド(牡3歳、栗東・大久保龍志厩舎)だ。有馬記念(G1)にも登録していたが、賞金不足で除外された。
今年は1勝馬の身で皐月賞(G1)に挑戦。18番人気で10着に敗れたが、続く京都新聞杯(G2)では混戦を断ち優勝。日本ダービー(G1)でも5着に健闘した。夏を休養に充て、今秋は神戸新聞杯(G2)と菊花賞(G1)で連続4着に健闘。クラシック3戦で「10→5→4」着と着順は右肩上がりで、着実に力をつけている。
また、持ち味の先行脚質は中山では大きな武器になる。キズナ産駒は中山2000mで重賞2勝(京成杯=クリスタルブラック、紫苑S=マルターズディオサ)と相性抜群で、初対戦の古馬勢を一網打尽にできるか。
古馬の代表格としてバイオスパーク(牡5歳、栗東・浜田多実雄厩舎)の名前を挙げたい。前走は重賞3度目の挑戦で福島記念(G3)を制覇。鞍上にはコンビ成績2戦1勝、2着1回の池添謙一騎手が継続騎乗する。
キャリア26戦目だが、中山コースは今回が初めて。安定感を持ち味としているが、直線坂があるコースは通算「0-3-2-5」と比較的苦手にしている。直線平坦コースだと「5-5-1-4」なので、ベストの舞台はローカルだ。
重賞を制覇したばかりで、斤量はある程度見込まれそう。ただし、57kg以上の時は「2-1-2-1」と苦にしない。今の充実度ならあっさり重賞2連勝を飾ってもおかしくない。
福島記念でバイオスパークの2着に入ったヴァンケドミンゴ(牡4歳、栗東・藤岡健一厩舎)も実力上位の1頭。こちらは屈指の“福島巧者”として知られており、その成績は「4-1-1-0」。一方で、直線坂があるコースは「0-1-1-6」で、バイオスパークと同様、ゴール前に急坂がある中山コースに不安が残る。
直近4戦は酒井学騎手とのコンビで「1-1-2-0」と安定感ある走りを披露していたが、今回は藤岡康太騎手に乗り替わり。このコンビは4戦すべて着外と結果が出ていないが、果たして結果を残せるだろうか。