JRA中山金杯(G3)ディープボンドに黄信号!? 3歳秋から勝率激減……キズナ牡駒に「早熟説」急浮上?
2021年のJRAは、5日(火)の東西金杯で幕を開ける。中山競馬場では、伝統の中山金杯(G3)が開催される。
出走17頭の中に、名を連ねた4歳馬は3頭。その中で最も注目されるのは、昨年のクラシック3冠すべてに出走したディープボンド(牡4歳、栗東・大久保龍志厩舎)だろう。
昨年4月の皐月賞(G1)当時は、まだ条件馬(1勝クラス)の身だったディープボンド。1冠目は、シンガリ18番人気に甘んじたが10着に健闘した。そして京都新聞杯(G2)で重賞初制覇を飾ると、日本ダービー(G1)は5着に好走し、充実の3歳春を過ごした。
秋は神戸新聞杯(G2)と菊花賞(G1)の王道路線を歩み、ともに4着。中長距離では世代でも上位の実力を示してきた。陣営は有馬記念(G1)にもエントリーするなど、大きな期待を背負っているディープボンド。菊花賞以来、2か月半ぶりの一戦は、同世代以外と初めての対戦となる。
ディープボンドの父は2013年のダービーを制したキズナ。初年度産駒は2019年夏にデビューしてから1年半が経過し、すでに5頭が合計7つの重賞を制している。
産駒の重賞初制覇はビアンフェで、2歳夏の函館2歳S(G3)を逃げ切った。その後は、3歳1月にクリスタルブラックが京成杯(G3)を差し切ってキズナ産駒の重賞2勝目を挙げると、6月までの半年間で重賞5勝を荒稼ぎした。
ところが、3歳下半期の重賞制覇は、マルターズディオサが同世代相手の紫苑S(G3)を勝っただけに終わった。
「昨年夏以降は、古馬相手に(当時の)3歳世代がなかなか勝てず、『コントレイルとサリオス以外は低レベル』という空気が出来上がっていました。それと同時に、3歳春にかけて重賞を勝ちまくっていたキズナ産駒の成長力にも疑問符が投げかけられ始めます。
総じて仕上がり早のキズナ産駒。早熟説が浮上するのは必然でしたが、先月26日の阪神C(G2)でマルターズディオサが2着に好走し、古馬とも渡り合えることを証明。中山金杯でディープボンドがそのポテンシャルを発揮すれば、早熟説は収束していくかもしれません」(競馬誌ライター)
実際に、キズナ産駒は早熟傾向なのか。初年度産駒(4歳世代)のデビューから半年ごとの勝率を調べると、興味深い事実が浮かび上がった。