JRA川田将雅「謎の中山参戦」もわずか3鞍……京都金杯(G3)1番人気シュリ諦めての積極遠征も、C.ルメール不在「開幕ダッシュ失敗」の裏事情
5日、2021年の競馬の開幕を告げる京都金杯(G3)が中京競馬場で開催される。
今年の1番人気が予想されるシュリ(牡5歳、栗東・池江泰寿厩舎)には武豊騎手が騎乗。初コンビとなった前走のリゲルS(L)を快勝し、“金杯切符”を勝ち取った形だ。同レース4勝を誇る名手が、今年も幸先のいいシーズン開幕を飾るかもしれない。
一方、ここまで7戦中6戦で手綱を握った“元主戦”の川田将雅騎手からすれば、デビューから育ててきたお手馬を奪われてしまった格好だ。リゲルSの日は、川田騎手はヴェロックスの中日新聞杯(G3)に騎乗するため中京競馬場に遠征していた。
しかし、この乗り替わり劇には少々「違和感」があるという。
「実は、武豊騎手とのコンビ継続で京都金杯に向かうというプランは、リゲルSを快勝した直後に発表されています。まさか、武豊騎手の騎乗ぶりに感動したオーナーサイドが突然、川田騎手の主戦降板を決定したわけはないでしょうし……勝ち負けに関係なく、予め決まっていたと考えるのが自然ですね」(競馬記者)
一方、シュリの主戦を降板することとなった川田騎手は5日、中山で騎乗する。
川田騎手といえば、昨年自己最多となる167勝を挙げ、リーディング2位だったトップジョッキー。勝率ではC.ルメール騎手を上回っており、騎乗馬の質なら「現役No.1」と称しても過言ではない存在だ。
したがって、予め武豊騎手とシュリのコンビ継続が決まっていたとすると当然、川田騎手にはシュリを諦めてでも中山へ行く価値のある魅力的で豊富なラインナップ、そしてメインレースの中山金杯(G3)にも人気の中心になりそうな強豪が控えていると考えるのが妥当だろう。
しかし、ふたを開けてみれば川田騎手の騎乗はわずか3鞍……それも中山金杯には騎乗馬がいないから驚くほかない。一体、何があったのだろうか。
「実は川田騎手は当初、中山金杯で皐月賞(G1)3着のガロアクリークに騎乗する予定だったようです。しかし、同馬が中山金杯を回避……。結果的に、川田騎手の中山遠征はほぼ空振りになったというわけです」(別の記者)
ガロアクリークといえば、中山金杯と同じ芝2000mの皐月賞で3着しただけでなく、1800mのスプリングS(G2)勝ちなど、中山実績は十分。もし出走していれば最有力候補の1頭に名が挙がっていたはずの存在だ。
「今年こそはルメールさんに勝って、この壇上のセンターに立ちたい――」
ちょうど1年前の1月27日に行われた「2019年度JRA賞」の授賞式で、川田将雅騎手は力強く2020年のリーディング奪取を誓っていた。誓いは叶わなかったが、それだけに「今年こそ」という思いは強いに違いない。
奇しくも5日はルメール騎手が不在ということもあって、リーディングを狙う川田騎手にとっては絶好のスタートダッシュを切るチャンスだったはず。しかし、計画は脆くも崩れ去ってしまったのかもしれない。