JRA武豊「次は川崎でアウォーディー」大先輩から迷言も!? ダービー馬の弟が復活かけて新天地挑戦…… 近年流行りの路線変更に乗れるか
10日、中山競馬場で行われるポルックスS(OP)に、意外な馬が登録をしている。ダート1800m条件で行われるレースはフルゲート16頭立てながら、登録馬は31頭と約2倍にあたる馬が集まった。
多くはダートの中距離路線でよく見る顔触れではあるが、ひときわ異彩を放っているのが2019年のエプソムC(G3)の勝ち馬レイエンダ(牡6、美浦・藤沢和雄厩舎)だ。ひとつ上の全兄レイデオロは17年の日本ダービー(G1)、18年の秋の天皇賞(G1)を勝利した名馬。祖母レディブロンドはディープインパクトの従姉にあたる良血馬である。
偉大な兄と同じく美浦の名門・藤沢和雄厩舎に預託されたレイエンダ。17年7月に札幌でデビューするとそこから3連勝。だが、鳴り物入りで出走した菊花賞トライアルのセントライト記念(G2)を単勝1.9倍の圧倒的1番人気を裏切って2着に敗れると、続くチャレンジC(G3)でも1番人気に支持されながら6着と重賞の壁が立ちはだかった。
その後は、何とか超スローの前残り決着となった19年のエプソムC(G3)をC.ルメール騎手の好判断で制して初重賞勝ちを収めたが、6歳を迎えた現在は成績もやや頭打ちの現状となっている。
今回、ポルックスSに登録はしたものの斤量は59キロと楽ではないため、出走については不鮮明なものの、24日に中京競馬場で行われる東海S(G2)への出走も次走の候補に入っている可能性がある。
その一方、芝で成績が下降気味の馬がダートに活路を見出すのは、近年のトレンドにもなりつつある。昨年の東海Sで重賞初勝利を遂げたエアアルマスも芝では3勝クラスを勝ち切れない馬だった。
また、昨年のフェブラリーS(G1)を優勝したモズアスコットも、18年の安田記念(G1)を勝っている馬とはいえ、以降は勝利に恵まれず、新味を期待して出走した根岸S(G3)を快勝しての連勝でもあった。
それ以外でもタイムフライヤーやクリンチャーなど、かつて芝のG1戦線で活躍した馬がダートへ転戦して好結果を残したことも後押しとなりそうだ。
なかでもダート転戦で水を得た魚の如く快進撃を見せたのがアウォーディーだろう。2歳の冬にデビューして5歳夏まで芝のレースに使われていた馬が、ダート戦を使われて一変した。そしてついには重賞を含む破竹の6連勝。JBCクラシック(G1)を制する前の日本テレビ盃(G2)を勝利した際には、主戦の武豊騎手から「次は川崎でアウォーディー」という迷言も飛び出した。
近走精彩を欠いているレイエンダだが、ダートで好走している兄弟もいるように適性は十分ありそうだ。もしかしたらダートで大変身を見せる可能性もあるかもしれない。