JRA武豊「代打」浜中俊“大喧嘩”でシンザン記念(G3)11着惨敗……キセキ・メイケイエールで見せた「ユタカマジック」主戦不在が致命傷に?
10日、中京競馬場で行われたシンザン記念(G3)は、福永祐一騎手のピクシーナイト(4番人気)が快勝。スローペースを読み切った大胆な逃げがハマり、通算2400勝の節目を重賞勝利で飾った。
一方、勝ち馬と同じように好スタートを決めながらも不完全燃焼に終わってしまったのが、浜中俊騎手が騎乗して11着に大敗したダディーズビビッド(牡3歳、栗東・千田輝彦厩舎)だ。
当初、ダディーズビビッドには主戦の武豊騎手が騎乗する予定だったが、腰痛により今週の参戦を自重。騎乗馬がいなかった浜中騎手にとっては、急遽訪れた“棚から牡丹餅”だった。
しかし、好スタートを決め、ハナに立つような勢いで飛び出したダディーズビビッドだったが、ここで浜中騎手が折り合いを付けるために自重させる。さらに懸命に手綱を引いた浜中騎手だったが、前に行きたい気持ちを抑えきれないダディーズビビッドとの折り合いがつかず、馬が頭を激しく降るシーンも……。
同じように好スタートを切って、ハナに立ったピクシーナイトがそのまま逃げ切ったこともあって、結果的にはこの一瞬が大きく裏目に出てしまった。
この結果には、ネット上の競馬ファンからSNSや掲示板を通じて「ずっと馬とケンカしてたな」「武豊騎手が乗れなかったのが致命的だったね」「あんな騎乗で勝てるわけない」と、ダディーズビビッドと折り合えなかった浜中騎手の騎乗に不満の声が続々……。
ここ10年で4勝している“シンザン記念男”の電撃参戦だっただけに期待したファンも少なくなかったが、チグハグな騎乗のまま不完全燃焼に終わってしまった。
「レース前から陣営が『引っ掛かる心配があるので折り合い次第』と話していた通り、かなり気難しい面があるダディーズビビッドですが、浜中騎手も『中日スポーツ』の連載コラムで『引っ掛かるところがあるようなので、折り合いに注意して乗るつもり』と意気込みを語っていました。
しかし、レースでは浜中騎手が想像していた以上に折り合いを欠いてしまった印象です。なんとか、前走の武豊騎手のように折り合いを付けることができればよかったのですが……」(競馬記者)
そう、記者が話すのもダディーズビビッドの前走こうやまき賞(1勝クラス)では、武豊騎手が独特の騎乗で上手く折り合いを付けていたからだ。
「こうやまき賞で武豊騎手は、ダディーズビビッドをあえて馬群の外側を走らせ、集団から遠ざけることで折り合いをつけていました。昨年5月の天皇賞・春(G1)でキセキに騎乗した際や、12月の阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)でメイケイエールに騎乗した際も同じことをしていましたし、ひどい掛かり癖のある馬には効果が見込めるとか。
今回のシンザン記念は3枠5番と内目の枠だっただけに難しいかもしれませんが、こうやまき賞とまったく同じ中京のマイル戦だっただけに、浜中騎手も思い切ってチャレンジしてみてもよかったのかもしれません」(同)
「まだ非力で、今のパワーがいる馬場は厳しかったです。でも、いい馬です」
そう最後は馬を庇った浜中騎手。武豊騎手が来週末から復帰することもあって今後、ダディーズビビッドに騎乗する機会はないかもしれないが、どこかでリベンジを果たしてほしいところだ。