元JRA騎手・藤田伸二「俺に似てて好きだ」藤田菜七子世代のアノ騎手に「ラブコール」も、2年連続ワーストで大先輩には程遠い現状……
意外な人物にゾッコンのようだ。
昨年、関東の若手騎手で最も頭角を現した横山武史騎手。フローラS(G2)をウインマリリンで制し、重賞初勝利。さらにキャリアハイの94勝を挙げ、関東リーディングに輝いた。
父である横山典弘騎手がデビュー前から才能を見抜いていた逸材がついに開花し、今年も競馬界を牽引することが期待される。
そんな中、元JRA騎手の藤田伸二氏は別の若手騎手に注目しているようだ。
11日、自身のTwitterに「乗り方。道中の姿勢。追い方。ヘルメットの白いゴム。足のサポーター。俺に似てて好きだ!」と投稿。騎乗スタイルだけでなく、服装まで似ているということで、かなり好感を抱いている様子である。
その若手騎手とは今年デビュー6年目の木幡巧也騎手だ。
同期には藤田菜七子騎手、坂井瑠星騎手などが重賞制覇の活躍をしているが、木幡巧騎手も負けていない。重賞初制覇はローズプリンスダムで制した2017年のレパードS(G3)で、同期一番乗り。デビューイヤーも最多の45勝を挙げている。また、木幡3兄弟の中でも、最も多い通算139勝を挙げており、今後の飛躍が期待される騎手だ。
11日の成田特別(2勝クラス)では7番人気エコロドリームで今年初勝利を挙げた。ダート2400mのレースを後方から内をロスなく追走。3コーナー手前から進出を開始し、直線を向く頃には先頭に並びかけて押し切り勝ちを飾った。レース中盤のラップが14秒5とスローになっていたため、絶妙な仕掛けのタイミングが功を奏した結果であり、木幡巧騎手の好騎乗が勝利に結びついたと言えるだろう。
だが、藤田元騎手と比較すると、木幡巧騎手にはまだまだ課題が多いかもしれない。
藤田元騎手と言えば、通算1918勝を挙げた名ジョッキーである。重賞93勝(うちG1・17勝)という輝かしい成績もさることながら、特筆すべきは特別模範騎手賞を2度受賞していることだ。
特別模範騎手賞とは、勝利数、獲得賞金額、勝率、MVJ部門のうちいずれかで5位以内、かつ制裁点が0点という受賞条件がある。かなりハードルが高く、過去4年間は受賞者が出ておらず、2度受賞しているのは藤田元騎手しかいない。
フェアプレーの第一人者とも言える藤田元騎手だが、木幡巧騎手は対照的な存在である。
デビューイヤーの制裁点は77点で、JRA騎手全体で最も多かった。さらに翌年は105点に増えてしまい、2年連続でワースト1位。2018年以降は21~41点の範囲で推移しているが、フェアプレー賞の受賞条件である10点以下を一度も記録したことがない。
藤田元騎手から“お墨付き”をもらえただけに、今後は制裁点の削減が課題となりそうだ。
もし、フェアプレー賞を木幡巧騎手が受賞するようなことがあれば、藤田元騎手もご満悦になるのではないだろうか。