JRA「崖っぷち」川田将雅クビの皮一枚繋がった!? 東海S(G2)武豊インティ撃破に溜飲下げるも…… 突きつけられた苦しい現実

 24日、中京競馬場で行われた東海S(G2)は、川田将雅騎手の2番人気オーヴェルニュ(牡5、栗東・西村真幸厩舎)が優勝。11月の福島民報杯(L)から3連勝で初重賞勝利を手に入れた。

 昨年のチャンピオンズC(G1)で3着に入ったG1馬インティを真っ向勝負で撃破する勝利。群雄割拠のダート戦線に楽しみな馬が現れた。

 レース後、川田騎手は「勝ちに行こうという競馬をしたらああいう形になりました。どうしても前の方で競馬をしないと苦しいのが今の馬場状態なので、しっかりと全体で競馬をしていくつもりで乗りました」とコメント。インティを常に射程圏に入れる積極的な騎乗が勝利に結びついた結果だった。

 また、今回手綱を取ったオーヴェルニュ自身も現在の充実ぶりが顕著。18年9月に448キロでデビューした小柄な馬が、東海Sには476キロで出走した。逞しさを増した馬体も快進撃と無関係ではないだろう。

 オーヴェルニュにとって重賞を勝つ下地は整っていた。飛躍のきっかけとなったのは昨年11月の福島民報杯(L)。振り返ってみると、このレースはハイレベルな一戦だったことがわかる。

 2着に下したスマートセラヴィーは次走のオータムリーフハンデ(OP)を勝利し、ギャラクシーS(OP)でも3着に好走した。3着に入ったソリストサンダーは武蔵野S(G3)でサンライズノヴァに惜敗するも2着。17日に小倉の門司S(OP)を快勝している。これらだけを踏まえても、オーヴェルニュが現在のダート界で一枚上の存在であることがうかがえる。

 その一方で、待望の初重賞を手に入れたとはいえ、騎手の中で一枚上の存在であるはずの川田騎手の2021年は苦しい競馬が続いている。

 1月の開催も終わりに近づきつつある中、38鞍に騎乗していまだ2勝しか挙げることが出来ていない。28.1%で最高勝率の栄誉を獲得した昨年とは対照的に、今年は1割にも満たない勝率5.3%と惨憺たる有り様なのだ。

 トップクラスの馬質を誇りながらも待望の初勝利を挙げるまで「26連敗」を喫し、東海Sまでも「9連敗」だったように、重賞勝利で浮かれてはいられない現実が立ちはだかる。

「東海Sを勝ったとはいえ、土曜から5鞍連続で1番人気に騎乗して全敗。最終レースでも2番人気で2着に敗れたようにまだまだ復活には程遠い現状です。近年は前半でロケットスタートを決めながら、後半にルメール騎手につかまるパターンでしたが、今年は逆にルメール騎手に早くも14勝差をつけられる大出遅れ。早くもリーディング奪取は絶望的な空気が漂っています。

上位騎手は着実に勝ち星を加算していますし、相当奮起しないとこのままではリーディングトップ10すら危ないかもしれません。オーヴェルニュには頭が上がりませんね」(競馬記者)

 早くも崖っぷちに追い詰められた感のある川田騎手に対し、天敵のルメール騎手はAJCC(G2)をアリストテレスで制して重賞3連勝とノリに乗っている。

 昨年の朝日杯(G1)をグレナディアガーズ、ホープフルS(G1)をダノンザキッドで制し、反撃の狼煙を上げたかった川田騎手の心中としては「こんなはずではなかった」といったところだろうか。

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